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1.はじめに
共謀罪法(テロ等準備罪法)の成立、加計学園問題、森友学園問題などを受けて、現在、野党4党は衆議院の予算委員会における閉会中審査を要求する方針を固めたとのことです。

・加計問題で閉会中審査要求|共同通信



2.閉会中審査
国会は、会期が終了すると閉会となるのが原則ですが、各議院の常任委員会と特別委員会は、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができます。予算委員会は衆議院の常設委員会のなかのひとつです。この議決を受けた各議院の委員会は、閉会中も会議を開いたり、委員を各地に派遣したりして、審査または調査を行うことができます(国会法47条、68条)。

3.憲法53条・臨時会
また、もし与党が閉会中審査を拒んだ場合、野党はつぎの策として、内閣に対して臨時会(臨時国会)を召集するよう求めることができます。

憲法53条後段は、「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならない」と規定しています。現時点の衆院・参院の与野党の数をみると、衆参とも野党が4分の1以上の議席を確保しています。

ところで、この4分の1以上の議員からの召集命令を受けた場合には、内閣は臨時国会を召集する義務を負います(小林孝輔・芹沢斉など『基本法コンメンタール憲法』290頁)。

この点、憲法の条文に召集期日がないことから議論がわかれていますが、1949年の国会答弁は、「諸般の条項を勘案して、合理的に判断してその最も適当と認める召集時期を決定すべき」としています。

しかし、2015年11月に安倍内閣が与党からの臨時会招集があったにもかかわらず、「総理の海外遊説のため」との理由で臨時会が全く行われなかったのは、憲法53条後段に反する違憲なものでした。

4.まとめ
6月19日の記者会見で、安倍首相は「指摘があればその都度、説明責任を果たす」と述べたのですから、呑みトモダチのマスコミの前でなく、衆院の閉会中審査の予算委員会か、あるいは特別国会で堂々と説明責任を果たすべきです。

■参考
・小林孝輔・芹沢斉など『基本法コンメンタール憲法』290頁
・芦部信喜『憲法 第6版』310頁

憲法 第六版



新基本法コンメンタール憲法―平成22年までの法改正に対応 (別冊法学セミナー no. 210)



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