「勉強」しかできない優等生は研究に向いてない。
最近、学部時代まで成績が良かった人が、修士になって研究がちっとも進まなくて苦しんでるのをよく目にする。いわゆる「秀才」タイプ。授業をしっかり聞き、ノートを真面目に取り、家でもきちんと勉強するような。
彼らは勤勉で記憶力も良いし、試験の成績は良い。仕事も頼んだら丁寧にやってくれる。でも「研究」は全然できない。なぜか。
研究には正解がないからです。自分で研究の目的から考えて、手探りで進む必要がある。
「そんなんわかってるわ!」と思うでしょう。でも、研究が進まないってことは、わかってないんだよ。少なくとも工学部の場合はね。
目次
効率的に行動しなよ
優等生はとにかく要領が悪い。努力の割に結果が出ない。
頭は決して悪くないはずなのに、なぜなのか不思議だった。最近、その人たちの行動を観察していて、なぜなのかぼんやりと分かってきた。
作業の目的をきちんと理解しないまま走り始める
「自分がなんのために、なにをしようとしているのか」分かっていない人が多すぎる。
いわゆる「目的を理解してない」ってやつ。
ここで言っているのは、研究目的のことじゃなくて、「作業の目的」のこと。
例えば、「スマホの使用者」についての情報がほしいのに、「最近のスマホの特徴」について一生懸命に調べていたり。別に間違ってはいなけど、ずれてる。
「自分はいま、この情報が欲しくて、だからこの作業をしてる!!」ってことを考えようよ。
まあ、これは高校までの「勉強」が悪い影響を及ぼしているのかもしれない。
高校までは「正しい答えを早く・正確に導く」ということがとにかく正義だっただろう。特に進学校の場合は。だから、「この式が解けたら何の役に立つのか?」なんて理解せずとも、問題が解ければ使うことで高得点が取れた。でもそれって、一種の思考停止ですよ。
もう、問題が解けたらそれでよかった時代とは違う。自分がなんのためにその作業をしているのか、本当に理解できてますか?
方向性を決める前に「かかるリソース」を概算していない
努力するのは、もちろん良いことだ。それが無駄な努力でなければ。
誤解しないでほしいのだけれど、「とりあえずやってみる」ことを否定しているわけではない。
ただ、「とりあえずやってみる」にしても、どれくらいの時間やお金を費やしたら結果が出るか、ということぐらいは考えようよ、って話。
そして、かける時間に見合うだけの結果が得られなさそうなら、他の道を探そうよ。
無駄な努力を無駄と知りながら続けるのは、美徳でも何でもない。リソースを無駄にする悪い行いですよ。ちゃんと考えてほしい。
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研究には「コミュ力」が必須だよ?
「コミュ力」って言っても別に友達作る能力のことではなくて、発表のときに必要な能力のこと。
ある程度研究が進んだら、研究の成果を発表する必要がある。「別に学会出ないし」って人でも、卒論・修論の発表会もあるだろうし、ゼミで進捗報告する機会ぐらいはあるはず。
ちゃんと発表するためには、
- 自分の言いたいことを、相手に誤解を与えずに伝える能力
- 相手の聞いたことを正確に理解してその場で答える能力
が最低限必要。
でも、優等生には「相手の聞いたことを正確に理解してその場で答える能力」が欠如している場合が非常に多い。
相手が何を聞いているのか理解できないから、答えもトンチンカンなものになる。
これはいろいろな原因があると思うけれど、一つ言えるのは、「試験の問題文みたいに明確に質問してくる人ばかりじゃない」ということ。もちろん、明確な質問をしてくる人もいるけどね。
意地悪で真意がよくわからない質問に答える方法は、関連記事を参照ください。
「素直さ」は美徳じゃない
優等生は、本当に素直です。「やれ」と言われたことを素直にやってくれる。
でも、指導教員の言うことをなんでもかんでも聞いているようでは、はっきり言って研究者じゃないよ。そりゃ成果も出ないでしょうね。
この部分は正直、指導教員のタイプによるところもあるけど、指導教員がかつ手取り足取り逐一指導してくるタイプじゃない限り、必ず行き詰まる。だって自分で考えてないもの。
指導教員というのは、たしかに長年研究をやってきたわけだし、知識もまあ豊富だろう。
でも、そこまで絶対視するものでもない、と個人的には思う。研究のことを考えている時間が少ない人も多いし、ずっと一人の学生の研究の面倒を見られるわけでもない。報告を聞いて、ぱっと答えた内容が思いつきだったりするし。
そんな思いつきの答えに、ずっと研究を頑張ってきたあなたが踊らされる必要なんかない。
逆に言えば、「先生が言った通りにやってみたけどダメだった」って言うのも、やめようよ。確かに提案したのは指導教員かもしれないけれど、自分で「やる」と決めたんだったら自己責任でしょう?
さっきも言ったけど、「とりあえずやる」の前に、どれくらいの時間やお金を費やしたら結果が出るか、ということぐらいは考えてよね、お願いだから。
まとめ
「勉強」ができても「研究」がちっとも進まないタイプの優等生には
- 効率的に行動していない
- 「聞かれたことに答える能力」がない
- 先生の言うことを鵜呑みにしすぎる
という特徴があるよ、というお話でした。
一番重要なのは、とにかく自分で考えることだよ。研究者なんだから、考えなければはじまらない。
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