昨日、ペライチさんのオフィスで行われた技術広報に関するイベントに登壇した。
技術広報とは、エンジニアブログを代表とした広報活動のことである。もちろんオープンソースの活動も含まれるが、技術ブログの場合は、オウンドメディアとして自社サービスをPRするようなものもあるが、多くは採用目的としたもので、古くはウノウラボであったり、ナナピ社のエンジニアブログ、最近だとメルカリさん、クックパッドさんやクラスメソッドさんやAWSさんの活動が挙げられる。
BASE社においては、僕がブログを長くやっているせいか、ブログを書けないメンバーに記事を書いてもらうためのリーダーシップに欠けており、せいぜい自慢できそうな話題が出た時に、自慢できそうなメンバーがいたらお願いする、というオーガニックな流れでブログを書いている。
そのせいか、記事のあまり数が多くなくて問題なのであるが、なんと他社様にはブログの催促をしちゃうような美人の採用広報などがいたりして、そんな子に催促されたら、ついつい書いちゃうよなぁ思いつつ、いずれにせよ、とにかくメンバーのモチベーションと成功体験から情報発信を習慣づけていくことが重要だという話を聞いた。
最近BASE開発者ブログで書いた記事。iOSチームの大木さんをWWDCに送り込みましたよ。
WWDC 2017に参加しました – BASE開発チームブログ
さて、懇親会でとある老舗ネット企業の方と話をしていて、最近、御社、結構有名所が離脱しているイメージありますよね、という話の流れから、こんな話をした記憶がある。
「コカコーラだってCMをやめないですよね」
これは何のことか?というと、新しく社会人になる人にとっての有名人は、目の前で活躍している人だけしか目に入らない、という話。
昔活躍して有名だった人は、一年一年忘却されていく。同業界で有名になると友達が増えたりして、そこで安住してしまうから、わざわざ知らない人に情報発信して、叩かれたりするのも面倒くさいわけだから、オッサンになると情報発信をやめていく、それに伴って認知は1年単位でexpireしていくという話をした。
もし忘却を防ぐのであれば、常に業界に入ってくる「初心者」に向けて情報発信をしていくべきである。
それが「コカコーラだってCMをやめない」という部分にかけている。
これに気がついたのは、とある誰でも知っていると思っていたシステムを、とある若いIT社長が知らないということに気がついた時。
彼らがおとなになった時には、すでにエンタープライズ寄りの市場にターゲットを移していたので、一般ネットユーザーである若い人達には知られる余地がないということに気がついた。
このギャップは、痛烈に自分のオッサン化を意識させられる。
こんなことを書くと、知らないのが悪いというコメントをつけたくなるかもしれないが、それが一つの真実だということを受け入れた上で、自分がこうやってオッサンになっていく真実を正当化していくのか、もしくは、心を入れ替えて「常に存在する初心者」に向けて情報発信をしていくことを好むのかは、まぁその人次第。別にどっちでもいいんですけどね。
ただ、まともな情報発信をしなくなっているのに、「オレを知らないとは何事だ」などとなるのは、間違いなくオッサン現象なので気をつけましょう。
そういう意味ではサンフランシスコから情報発信して沢山の若者エンジニアの心をガッチリ掴む宮川さんはマジで凄い。
こちらの記事にインスパイアされて書きました。
古い人間とは。|高木新平|note(ノート)