子どもの貧困は外見では見分けられない
スマホや100均がもたらす変化
6人に1人の子どもが貧困と言われても、実感がわかない。それもそのはず。「貧しい子どもの姿」を日常生活で見ない。ファストファッションやファストフードで見た目は変わらない。
「この前、お母さんとしまむらで服買ったの。一緒に着られる服もあるし、たまに連れていってもらうんだ」「土日は、友達とマックでおしゃべり。100円でドリンクもハンバーガーも買えるからお小遣い少なくても行ける」「親が夜勤でいなくても、カップ麺があるから大丈夫」
非正規雇用で働くシングルマザーの家庭の中学生たちは口々にそう言う。彼ら彼女ら自身も、家が決して裕福ではないということをわかってはいるが、「貧乏っていうほどじゃないと思う」と言う。ある中学3年生の女子は笑いながら話す。
「塾には行かせてもらえないし、進路も公立高校しかダメって言われてる。私立の滑り止めを受けられる子は羨ましいと思うけど、そんな子は他にもいるし」
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5年前から子どもの貧困問題に関わり、学習支援のほか居場所支援・生活相談・就労支援など幅広く活動を広げてきたNPO法人PIECESの理事、荒井佑介さん(26)はこう話す。
「今の子どもたちは、経済的に恵まれていない家庭でもファストファッションでおしゃれをすることができたり、スマホも親が遅くまで働く母子家庭などでは連絡ツールとして必須だったりして、見た目には普通の子たちと変わりません」
最近では、スマホは中学生になると学校生活を普通に過ごすための必須アイテムにもなりつつある。都内で中1の長女と小5の長男を育てるシングルマザーの女性(34)も、長女にスマホを持たせている。