広島 原爆ドームの破片引き上げ

広島 原爆ドームの破片引き上げ
広島市の原爆ドームの脇を流れる川で、原爆で吹き飛ばされたドームの一部と見られる、重さおよそ200キロの石材をクレーンを使って引き上げる作業が行われました。
原爆ドームの脇を流れる元安川には、72年前に投下された原爆で吹き飛ばされたドームの破片が今も沈んでいます。

広島大学の職員の嘉陽礼文さん(39)は15年前から破片の回収を進めていて、20日は去年の調査で確認されたドームの一部と見られる大型の石材をクレーンで引き上げる作業を行いました。作業は原爆養護ホームに入所している被爆者などが見守る中、およそ1時間かけて行われ、3つの石材が引き上げられました。

このうち縦横およそ70センチ、厚さがおよそ25センチの石材は重さがおよそ200キロあり、被爆前の原爆ドームの写真などから5階のバルコニーの側面に使われていたと見られています。また残りの2つのうち、重さがおよそ50キロの石材はドームの窓枠部分に使われていたのではないかということです。

原爆で母親と弟を亡くした被爆者の佐々木寿美江さん(86)は目に涙を浮かべながら「あの石は、水を求めて川に飛び込んだ人たちを見て一緒に苦しんでくれたと思います。二度と悲劇を繰り返してはいけないと心の底から思いました」と話していました。

嘉陽さんは「原爆ドームの破片を引き上げることで、遺骨や遺品が見つかっていない方々の希望をつないでいきたい」と話していました。引き上げられた石材は広島大学の医学資料館に運ばれ、半年ほど乾燥させたあと展示される予定です。
原爆ドームの脇を流れる元安川には、72年前に投下された原爆で吹き飛ばされたドームの破片が今も沈んでいます。

広島大学の職員の嘉陽礼文さん(39)は15年前から破片の回収を進めていて、20日は去年の調査で確認されたドームの一部と見られる大型の石材をクレーンで引き上げる作業を行いました。作業は原爆養護ホームに入所している被爆者などが見守る中、およそ1時間かけて行われ、3つの石材が引き上げられました。

このうち縦横およそ70センチ、厚さがおよそ25センチの石材は重さがおよそ200キロあり、被爆前の原爆ドームの写真などから5階のバルコニーの側面に使われていたと見られています。また残りの2つのうち、重さがおよそ50キロの石材はドームの窓枠部分に使われていたのではないかということです。

原爆で母親と弟を亡くした被爆者の佐々木寿美江さん(86)は目に涙を浮かべながら「あの石は、水を求めて川に飛び込んだ人たちを見て一緒に苦しんでくれたと思います。二度と悲劇を繰り返してはいけないと心の底から思いました」と話していました。

嘉陽さんは「原爆ドームの破片を引き上げることで、遺骨や遺品が見つかっていない方々の希望をつないでいきたい」と話していました。引き上げられた石材は広島大学の医学資料館に運ばれ、半年ほど乾燥させたあと展示される予定です。