仕事で作成しなければならない資料があるのですが、日本や海外の「言い伝え」についてまとめたい部分があります。
資料にまとめてしまう前に、一度ブログの記事にしてみて、後でゆっくり由縁を調べたり、どの言い伝えを資料の中に入れるか考えてみようと思いまして。
そんなわけで、数回に分けて様々な言い伝えをまとめてみます。
- ひな人形を早く片付けないと、嫁に行き遅れる
- 寅年に縁組してはいけない
- 5月と10月に結婚式をしてはいけない
- 薬指の名前を呼んではいけない
- 葬列や霊柩車に出会ったら、親指を隠さなければならない
- 墓参りの帰り道で振り返ってはいけない
- しつけ糸を取らずに着物を着てはいけない
- 布団の上に着物をかけてはいけない
ひな人形を早く片付けないと、嫁に行き遅れる
子どもは親の背中を見て育ちます。
ひな人形をいつまでも出しているような無精者の家で育った娘は、片付けもできない娘になると考えられていました。
そんな娘は、成長しても嫁の貰い手がないという戒めです。
寅年に縁組してはいけない
江戸時代は、寅年に天変地異や疫病が流行ることが多くありました。
また、寅は虎という、獰猛な動物を連想します。
結婚する2人の門出には、縁起が悪い年だと考えられていた言い伝えです。
5月と10月に結婚式をしてはいけない
5月は、田植えが忙しい時期です。
10月は、収穫の時期です。
農家にとっては人手がいくらあっても足りない時期なので、そんな時期に結婚式を挙げてはいけないという言い伝えです。
また、田植えや収穫の時期は祭りが行われるなど、神聖な時期でもありました。
そのため、結婚式は控えるべきとされていました。
薬指の名前を呼んではいけない
古典の中には、薬指の事を「ななしのおゆび」と表現したものがたくさんあります。
昔は、正月や祭りなど、ハレの日にしか化粧をしませんでした。
薬指は別名「紅さし指」とも言われ、ハレの日に化粧をする際に使う指と考えられていました。
そのため、日常のケの日には、薬指の名前を呼んではいけないと考えられるようになりました。
葬列や霊柩車に出会ったら、親指を隠さなければならない
成仏していない人間の魂は、現世をふらふらと彷徨いながら、誰かを一緒に黄泉の国へ連れて行こうとしていると考えられていました。
親指を隠すのは、密教や修験道における「気を充実させるための印」です。
黄泉の国へ連れて行かれないためには、親指を隠して気を充実させるのが良いという言い伝えです。
墓参りの帰り道で振り返ってはいけない
墓地には、現世に未練を残して死んだ人の魂が漂っていると考えられていました。
そんな場所から帰る際、後ろを振り向いてしまうと、死者の霊がついてくると考えられていました。
しつけ糸を取らずに着物を着てはいけない
昔は、亡くなった人に白い経帷子(きょうかたびら)を着せる風習がありました。
帷子は、親族の女性が縫います。
しつけ糸を取らない着物は、この経帷子をイメージし、死を招くと考えられていました。
布団の上に着物をかけてはいけない
亡くなった人を布団に寝かせる際、故人が愛用していた着物をかける習慣がありました。
愛用していた着物には、個人の魂や念が宿っていると考えられていました。
こうした習慣があったため、布団の上に着物をかけて寝てはいけないという言い伝えがありました。
参考文献