今回の料理:ニンニクトンカツ
幸せの揚げる音がする
枝元 まな板に小麦粉をふり、1人分約100グラムの豚薄切り肉をパックから出したままの状態で置きます。肉と肉の間に、薄切りにしたニンニクをみっちりと挟んでいきます。
西原 カツオのタタキの国の人間なので、ニンニクはいくら食べてもいいという文化で育ちました。おしゃれな国はこれがアーモンドナッツですけど、うちは違うよ、みたいな。
枝元 ははは。気持ちはおしゃれなままでいきましょう。ニンニクはしっかり火を通してね。フライパンの油に菜箸を入れて気泡が出たら衣をつけた肉を入れましょう。固まってくるまでは動かさないでね。
西原 ああ、幸せの揚げる音がする。おなかすかせて帰宅したときに揚げ物しているといいよね。
枝元 しかもニンニクでね。豚肉は脇役。おいしくニンニクを食べるためのだしです。昔、居候していたことがあるんですが、そこに中学生の男の子がいたの。その子がおなかすかせてご飯作ったんですけど「俺ミートソース作った。だしに肉を使ってみた」って。超かわいい!
西原 確かにだしに肉はいるね。
枝元 「だしに肉入れてみたんだよ」って。お母さんも大胆だから、弁当の白飯の上にハンバーグ置いたりしてね。それすごくないですか?
西原 男の子はそれくらいのほうが喜びますからね。
枝元 その子を思い出すと(西原さんの息子の)雁治君と似ているなあって。さて、肉の縁が色付いてきたら裏返します。揚がったらざくざく切ります。すごいニンニクの香り。
西原 ニンニクが豚肉に入ったサシみたい。まるでトロ。トロカツです。
枝元 へへへ。このニンニクのたっぷりなところ、いかがでしょう。
西原 おいしいですね。何も言うことない。子どもやお父さんに食べさせる時は土曜日にして。月曜日にこの臭いさせると、満員電車でにらまれます。
枝元 ニンニクの甘みもすごい。ちょうど今、旬な時期ですね。
【構成・矢澤秀範、写真・内藤絵美、渡部直樹】
ニンニクトンカツ
材料(2人分)
作り方
- まな板に小麦粉をふり、豚肩ロース肉をパックから出したままの状態で置く。
- 肉の間に薄切りしたニンニクを挟み、塩とコショウをして小麦粉をふり、溶き卵、パン粉の順に付け、片面3分ずつ中温の油で揚げる。
- 食べやすい大きさに切り、皿に盛る。千切りキャベツなどの野菜(分量外)を添える。
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