英 イスラム教徒に車突入は相次ぐテロへの報復か

イギリス・ロンドン北部にあるイスラム教の礼拝施設の近くで車がイスラム教徒の列に突っ込み、1人が死亡、10人がけがをした事件で、複数のメディアはイギリスで相次ぐイスラム過激派の影響を受けたテロ事件に対する報復ではないかという見方を伝えていて、社会の分断が深まることが懸念されます。
この事件は、ロンドン北部にあるイスラム教の礼拝施設・モスクの近くで19日未明、礼拝を終えたイスラム教徒の列に車が突っ込み、1人が死亡し、10人がけがをしたもので、車を運転していた47歳の白人の男が殺人未遂の疑いで警察に逮捕されました。

警察は男が単独で事件を起こしたと見ていて、その後、逮捕容疑に殺人やテロの実行などを追加して調べを進めています。

動機について警察は現段階では断定できないとしていますが、メイ首相はイスラム教徒に敵意を持った男による犯行だという見方を示しました。イギリスではこの3か月でイスラム過激派の影響を受けたテロ事件が3件相次いでいて、今月、ロンドンで起きたテロ事件以降、イスラム教徒に対する差別的な犯罪が以前と比べて5倍以上に急増しています。

複数のメディアは、男が取り押さえられる際、「すべてのイスラム教徒を殺害する」などと叫んでいたという目撃証言とともに、相次ぐテロ事件に対する報復ではないかという見方を伝えていて、今回の事件をきっかけに社会の分断が深まることが懸念されます。