エリザベス女王、最長在位の秘訣は食にあり(チョコは別腹)
4月に91歳を迎えたエリザベス女王 Julian Simmonds/ REUTERS
今上天皇の退位を実現する特例法が成立し、天皇陛下が2018年12月末か、19年3月末に退位する見通しとなった。先進国の君主としては最もエリザベス英女王に近い年齢の天皇の退位で、同女王が年齢、在位年数で今後どこまで「記録」を伸ばし続けるか、改めて注目が集まることになるだろう。
91歳でなおかくしゃくとする女王
現在、陛下は83歳、エリザベス女王は7歳8カ月年上の91歳。ほぼ同世代といっていいだろう。陛下は父・昭和天皇が長命だったこともあって在位年数は28年と、エリザベス女王の65年に大きく及ばない。
ここ数年、先進国では国王クラスの退位が相次いだ、オランダのベアトリックス女王が13年に75歳で、スペインのフアン・カルロス国王が14年に76歳で退位し、先進国の君主の中ではエリザベス女王と陛下の2人が抜きんでて高齢君主だった。
在位年数で言うならば、1年前までトップにあったのはタイのプミポン国王で、エリザベス女王より6年先を行っていた。16年6月には在位70年を迎えた。プミポン国王は同年10月、88歳で亡くなり、エリザベス女王が長期在位君主としてトップとなった。
今回、天皇の生前退位が正式に決まったことで、エリザベス女王が1人、終身元首の道を歩み続けることになる。
それにしてもエリザベス女王は元気だ。プミポン国王は在位ではトップにあったが長年、病床にあった。陛下もマイコプラズマ肺炎で入院し、また心臓の冠動脈バイパスの大手術も受けている。これに対して女王は大病をしたことがない。年齢に相応してやや猫背には見えるが、公的な場に出ればかくしゃくとして公務に励んでいる。
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唯一目が無いチョコレート
エリザベス女王の元気の秘密、それは食事にあるのではないか。そう思わせる記事が目に入った。バッキンガム宮殿の厨房(ちゅうぼう)で1993年までの11年間、女王に仕えた料理長ダレン・マックグラディ氏が女王の食事の嗜好(しこう)について英紙に語っている。
マックグラディ氏は、ロンドンの著名なサボワホテルのレストランで料理人をしていた82年、バッキンガム宮殿にヘッドハンティングされた。20人の料理人が働く宮殿の厨房で、外国の元首が訪英した際の女王主催歓迎晩さん会や、女王の日常食を担当した。
93年にはチャールズ皇太子とダイアナ妃の専属シェフとなり、ダイアナ妃が事故死する97年まで二人の息子のウィリアム王子とヘンリー王子の日常食も担当。英王室で通算15年働いた。
マックグラディ氏によるとチャールズ皇太子は美食家だが、エリザベス女王は美食家ではない。
「チャールズ皇太子はおいしいものに目が無く、オーガニックな食材も好みです。これに対して女王はおいしいものへのこだわりは特にありません。食習慣もほとんど変えません」