2017年06月19日
【英語学習】『英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26』西田 大
英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「上半期大感謝祭セール2017」でも人気だった英語勉強本。タイトルには「メンタル」とありますが、その言葉とは裏腹に(?)、踏み込んだ英語学習法が指南されていました。
アマゾンの内容紹介から。
毎日仕事で忙しくて時間がない、でも英語力を何とか上げたい!「大人のための正しい英語勉強法」と「英語と向き合う正しいマインドセット」を身につければ、最大限の効率で確実に英語力をアップできる!人生が変わる!日本で勉強し続けてTOEIC990点(満点)、英検1級、通訳案内士の資格を持つ現役の高校英語教員・西田大が、本気で英語力を上げたいビジネスパーソンに提案する、「自分が変わる」英語勉強法。
現時点では中古がまだ高いので、セール期限である6月22日までに、このKindle版をお求めください!
In studying English. / CanadaPenguin
【ポイント】
■1.常時「テスト1カ月前」という状況にしておく私は、社会人の方と英語学習法について話すときには、できる限り多く英語の資格試験を受験することを勧めます。そうしたときに一番多い反応が、「いやぁ、もう少ししっかり準備してから……」というものです。しかし、そう言いながらしっかり準備して、実際に受験する人は残念ながらほとんどいません。「しっかり準備してから」は「永遠に受験しない」の同義語です。
テストは準備してから受けるものではありません。むしろそれとは逆で、テストは申し込むことで、それに向けて準備せざる得ない状況を作ってくれます。そして、その状況が、英語学習における最高のモチベーションへとつながるのです。(中略)
なお、テストを受ける頻度ですが、私は1カ月に1回は受験することをお勧めします。もしかしたら「回数が多すぎるのでは」と思う人がいるかもしれませんが、私自身の経験から言うと、一年を通じて常時「テスト一カ月前」という状況を作っておくべきです。それは、テストが一カ月以上先だと、どうしてもプレッシャーの強度が落ちてしまうからです。
■2.リスニング教材は「スクリプト」「訳」「内容一致問題」の3つが必須
リスニング力アップのためには、音声をただ聞き流すのではなく、一字一句頭の中でリフレインするように聞いていくことが重要なポイントとなります。リスニングに使う教材は「スクリプト」「日本語訳」「内容一致問題」の三つが盛り込まれている教材を選ぶことをおすすめします。
リスニング学習をしている際に、自分が聞き取れない箇所に出会ったら、すぐにスクリプトで確認するようにします。「その場所は聞き取れなかったけど、内容はだいたい分かったからOK」ではいけません。聞き取れなかった語を一つひとつつぶしてしていくことが、リスニング力アップには欠かせません。
日本語訳は、英語はきちんと聞き取れた、またはスクリプトでも英語は確認した、しかし意味が分からない部分を調べる時に役立ちます。これがなければ、毎回辞書を引かなければならなくなります。
なぜ内容一致問題が必要か。リスニング学習の集中度がまったく違ってくるからです。内容一致問題があると思うと、聞き流し防止にも効果があります。
■3.音読によって速読力が身に付く
ここは勘違いしてほしくない大切なポイントなのですが、声に出して英語を読むこと(=音読)により、声に出さずに英語を読む(=黙読)速度が大幅に上がるということなのです。(中略)
返り読みを防ぐためには、音読することが最も効果的です。なぜなら、声に出すことにより返り読みが不可能になるからです。返り読みを普段している人が口に出さず、目だけで読んでしまうと、どうしても無意識に「返って」しまいます。音読学習を日常に取り入れると、そのうち黙読しても返り読みしない癖がつきます。 特に、近年のTOEICや英検などの資格試験では、短時間にかなりの分量の英文を読むこと、つまり、相当の速読力が求められています。ぜひ、音読で英語のセンスを磨き、語順読みを身に付け、速読力を高めましょう。
■4.TOEICの公式問題集は最高のリーディング教材
英語力を伸ばす観点から見ると、ペーパーバックや英字新聞よりも、問題集を用いて学習する方が断然力がつきます。ペーパーバックや英字新聞を用いて学習することのデメリットは、分からない語句や表現に出会ってもそのままにしてしまいがちな点です。それでは英語学習上、非効率的です。(中略)
英語資格試験の問題集の中でも、私が最もおすすめするのが『TOEIC公式問題集』です。リーディング教材という観点から言えば、最新の「新形式問題編」に限らず、過去に刊行されたものでも構いません。
■5.TED Talksの使い方
TED Talksの動画のうち、英語圏のスピーカーのものにはたいていの場合、英語と日本語訳の両方が用意されています。Wordなどを使って、英語と日本語訳を左右に並べてコピー&ペーストし、プリントアウトします。こうすると英語と日本語をすぐ対照できるので意味を確認しやすくなりますし、プリントアウトすることで、気付いたことを書き込むことができます。
動画は、スクリプトを手元に置き、字幕なしで見ます。分からないところが出てきたら、一旦映像を止めて、スクリプトの英語を確認します。英語を見ても分からない場合は、日本語で確認します。これを繰り返して、だんだん聞ける部分(=映像を止める必要のない部分)を増やしていきます。(中略)
英語で内容を完全に理解できる状態になってから、再度TED Talksの動画を視聴してみると、格段に理解できている部分が増えて、内容を楽しめるレベルになっていることに気付くことでしょう。
【感想】
◆今回、冒頭で「英語学習法」について触れた関係上、上記ポイントでもその辺を中心に挙げてみました。ただし、本書がわざわざタイトルに「メンタル」と入れたのも理解できる気が。
というのも、いきなり第1章にて「『他の人と異なる良い結果』を求めるのなら、『他の人と異なるレベルの努力』をすべき」と看破しているという。
漫然と頑張っても、結果はついてきません。毎日「必死に頑張っているか?」と自分に問いかけ、確認しましょう。「あいつ、大丈夫か?」と周囲の人から心配されるぐらいの頑張り方、それぐらいがちょうどいいのです。他の人と異なる良い結果を求めるのなら、他の人とは異なるレベルの努力が必要です。……激「ハードコア」(白目)。
著者の西田さんいわく、英語を勉強する社会人が100人いたとして、「何となく『英語ができればいいなぁ』と思って頑張っている人が80人」、「強い気持ちで『英語をモノにしたい』と考えて頑張っている人が17人」、「『英語力を絶対高める!』と死に物狂いで頑張っている人はわずか3人ほど」という割合なのだそうです。
そして「この100人中3人に入る気持ちで頑張らなければ、他の人と異なる良い結果はついてこない」のだとか。
◆もう1点、これも「メンタル」に関係していそうなのが、「英語学習において威力を発揮するのは『危機感』」というお話。
一般的に、「〇〇のようになりたい」という理想や希望よりも、「〇〇のようにはなりたくない」という切実な危機感の方が、英語学習には効果があるとのこと。
たとえばマイホームを購入したばかりなのに、「TOEICで730点以上とらないと係長に降格が決まる上に、転勤の可能性が高くなる」と言われたら、死にもの狂いで勉強するハズ。
……って、この割愛した2つのポイントが、第1章の初っ端から並んでいるのですから、読んでるこちらとしては、身が引き締まります罠。
この第1章では他にも「英語学習は『質より量』が大切」ですとか、「学習には誘惑の少ない朝を徹底活用する」等々あって、具体的な英語の勉強法以前の「考え方」が叩き込まれる仕様になっています。
◆続く第2章でも「心構え」を伝授。
たとえば上記ポイントの1番目の「1カ月に1回は受験」というのも、モチベーション維持のためです。
実際にそのペースで受けるには、やはりTOEICが最適とのことで、上記ポイントの4番目だけでなく、本書では各所においてTOEICのメリットが挙げられていました。
そしてもう1つ、西田さんが「大人が受けるべき英語の試験」として推奨しているのが「英検」。
わたしもてっきり英検は学生が受けるものかと思っていましたが、準1級や1級は受験生の大半が社会人なのだそうです。
特に英検の二次試験は、「日本で実施されているスピーキングテストのナンバーワン」であるとのこと。
なるほど、本書を読んで分かりましたが、システムと料金の双方から考えると、この英検の二次試験がベストなようです。
◆一方第3章からは、具体的な英語学習法が登場。
ただし、基本となるのは「質より量」「暗記は必須」「英文法重要」というような地道なスタイルです。
ですから「ラクして身につく」ですとか「聞き流すだけでOK」というような風潮は、真っ向否定。
典型的なのが上記ポイントの2番目のリスニング教材のお話です。
この考えでいくと、「洋画を字幕なしで見る」のは、難易度の高いことであり、英語学習法としては避ける方が賢明なのだとか。
そこで代わりに推奨されているのが、上記ポイントの5番目の「TED Talks」。
本書では英語学習初心者のために「語彙レベルが高くなく、音声も聞き取りやすい」動画が3つ紹介されており、こちらはその中の1つです。
今回初めて英文のスクリプトも見たのですが、該当部分にリアルタイムでアンダーラインが引かれるので、これは勉強にいいわ、と思った次第。
◆ちなみにこのリスニングに限らず、本書は類書と意見が食い違いそうな部分がちらほら見受けられました。
たとえば、社会人の留学に対してネガティブである反面、オンライン英会話を薦めていたり(詳細は本書を)。
また、そもそもTOEICの内容自体に疑問を投げかけている書籍もある中、上記ポイントの4番目にあるように「TOEICの公式問題集は最高のリーディング教材」とまで言われている作品は、私が読んだ中では初めてです。
実際、私も本書を読むまで、そこまでTOEICがいいとは思っていませんでしたが、本書を読んで考えを改めたという(単純w)。
さらに、第3章と第4章の各セクションの終わりには「僕の本棚から」と題して、オススメ英語学習本が掲載されているのも、ポイント高し!
……この本、別の版元で新書で出していたら、結構売れたんじゃないでしょうか?(余計なお世話)
本気で英語力を高めたいなら要チェックです!
英語力はメンタルで決まる〜自分が変わる英語学習のコツ26
第1章 まず押さえておきたい英語学習の基本6
第2章 忙しい社会人だからこそ覚えておきたい英語学習の心構え5
第3章 大人のための間違いない英語学習法6
第4章 大人が受けるべき英語の試験2
第5章 大人だからこそ使いこなしたい英語学習のツール2
第6章 やっぱり英語で話したい人のためのヒント5
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【裏ワザ?】『「銅メダル英語」をめざせ! 発想を変えれば今すぐ話せる』林 則行(2011年09月18日)
【編集後記】
◆本書もセール対象となっている「上半期大感謝祭セール2017」でも、結構な数のTOEIC対策本が何冊か対象となっています。上記告知記事でご紹介した作品やそれ以外にもいくつかピックアップ。
[新形式問題対応/音声DL付]TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 2 & 1 究極のゼミシリーズ
[新形式問題対応/音声DL付]TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 3 & 4 究極のゼミシリーズ
[新形式問題対応]TOEIC(R) L&R テスト 究極のゼミ Part 5 & 6 TOEIC究極シリーズ
[新形式問題対応]TOEIC L&R テスト 究極のゼミ Part 7 TOEIC L&R テスト 究極のゼミシリーズ
[新形式問題対応/音声DL付]TOEIC(R)テスト 非公式問題集 至高の400問
[新形式問題対応/音声DL付]TOEIC(R) テスト 新形式問題やり込みドリル〜新傾向を徹底分析した問題で最新戦略を伝授!
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