「ウィングス・オブ・レスキュー(救助の翼)」は空飛ぶボランティア集団である。彼らは画期的な方法で動物救助に取り組んでいるのだ。
この団体は、自分たちでの飛行機を所有していて、日常的にこれを飛ばして、殺処分の危機にあるペットたちを、殺処分ゼロの州へと移送している。
ほかにも自然災害や事故などで動物たちに危機が迫っていた場合、すぐに飛行機を飛ばして動物たちを救助する。
メインの飛行機は1台。残りの飛行機は、ボランティアのパイロットたちによって寄贈されたもので、彼ら自らが操縦している。
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These Pilots Rescue Animals And Fly Them To Safety [INSIGHTS]
動物たちのため空を飛び回るボランティアのパイロットたち
ウィングス・オブ・レスキューには、現在30人のボランティアパイロットが所属していて、彼らの小型自家用機が全米中を飛び回っている。
ほかにも10人の専任パイロットがいて、彼らは常時、救助スケジュールを調整したり、資金を集めたりする業務に対応している。
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殺処分率の高い地域から、殺処分ゼロの地域へ動物たちを輸送
彼らがアメリカの各地域で知られるようになったのは、保護される動物たちが増えすぎたことによる。
ペットがこのような状況に陥ってしまうのは、避妊や去勢手術を怠ったり、過剰な商業向け繁殖を行ったり、地域社会の無責任や無知などが原因だ。
ウィングス・オブ・レスキューの戦略管理部長リック・ブロウドはこう語る。
「動物たちの殺処分率の高さをシェルターだけのせいにすることはできない。彼らが生きているコミュニティ、社会がペットを殺している」
殺されるのを待つばかりの動物たちを救うために、ブロウドのような人たちが、こうした組織のメンバーとして活動してくれるのはありがたいことだ。
ウィングス・オブ・レスキューは、カリフォルニアを拠点としていて、カリフォルニア、オクラホマ、ルイジアナ、テネシーなどの殺処分率の高いシェルターから、太平洋側北西部、コロラド、ユタ、サンタフェなどの殺処分ゼロの州へ、主に犬や猫たちを移送している。
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自然災害や事故の際にも飛行機で一目散にかけつける
また、自然災害や地域の重大危機で、動物が逃げ出したり、危険な状態にあるときも彼らの出番で、すぐに飛行機を飛ばして動物たちを救いにかけつける。
もっとも最近のケースは、2016年のルイジアナ大洪水のときだ。ウィングス・オブ・レスキューは、5機の飛行機を送って、およそ750匹の動物たちを安全な場所に移した。この英雄的行為は、スーパーマンレベルだろう。
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20機の飛行機で約1000匹を一斉に救助
毎年、この団体は、「ホリデー・エアリフト(Holiday Air Lift)」活動を行っていて、20機の飛行機で一斉に約1000匹の動物を輸送する。
この救助ミッションで、ウィングスはカリフォルニア州エルセントロのメキシコとの国境にある満杯状態のシェルターから、殺処分直前の49匹のイヌを救い出した。
イヌたちは、一日のうちにアイダホ州ボイシの里親成立率の高いシェルターに空輸され、ほとんどがその週末には新しい飼い主が決まった。
「我々はまず、ロサンゼルスのヴァンナイズ空港を朝7時に出発した。それから、エルセントロに飛んで、動物たちをピックアップし、ボイシへ向かって彼らを下ろして、再びヴァンナイズに戻ったのは夜の8時だった。大変だったが気分は爽快だったよ」
この組織の献身には本当に頭が下がる思いだ。
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ウィングス・オブ・レスキューの共同創設者でパイロットのヤフーダ・ネタネルは、強い倫理感をもち動物愛する男で、なにより空を飛ぶことが好きだ。
彼は元イスラエル軍の落下傘兵で、現在は不動産業界でフルタイムで働いている。このボランティアに身を投じるモチベーションについて、ナタネルはこう語る。
「動物たちの顔をじっと見つめ、尻尾を振ってくれたら、どんな困難でも克服できるほどの力がわきあがる。だから、朝早くから夜遅くまでこの仕事ができるんだ」
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過酷な環境に苦しんでいる動物はたくさんいて、善意ある人たちがこうした問題を解決しようと疲れをかえりみずに尽力している。
例えば、ジョージア州ヴィデーリアの劣悪なシェルターからたった一匹のイヌを救い出したその足で、はるばるニューヨーク、ブルックリンの里親のところに届けに向かうといったことをやっているのだ。救助と縁組両方の体験から、胸が張り裂けそうな思いと贖罪と似たような感情をおぼえる。
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すべての動物たちを救うため
2016年、ウィングス・オブ・レスキューは、130回の救助フライトを行い、およそ1万匹のペット(ほとんどはイヌだが、1500匹以上のネコや70匹のウサギも含まれる)を安全な環境に移した。2017年は1万2000匹を目標にしているという。
これまで、ウィングスは2万5000匹以上の動物たちに、第二の人生を与えてきた。
彼らを支援して動物たちを救うために、ぜひウィングスのホームページをのぞいてみて欲しい。
via:wingsofrescue・elitedaily
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コメント
1. 匿名処理班
流石米国はスケールが大きい。
2.