結婚して4年目で、同じ年の旦那さんと2歳半の息子と生活してます。そんな旦那とのなれそめをお話ししたいと思います。

中学の頃まで、ジャニーズが好きだった私は、なかなか好きな人もいなくて、恋愛よりも友達と遊んでた方が好きな女の子でした。高校でも同じように過ごすのかなと思っていた時、私は旦那と出会いました。

高2の登校中

初めて旦那と接したときの印象は野暮ったくいつも眠そうな顔をしていました。高校2年生の時の話です。
私が学校に遅刻して急いで自転車をこいでいると、チェーンが外れてしまい、途方にくれていました。
そこへ同じクラスの旦那が遅刻しているのにも関わらず、のんびりと自転車をこいでやってきました。

私にきづくと、面倒そうな顔をしていましたが、ささっとチェーンを直し、「ジュースおごりねー」とひとこといって、にこにこしながら先に学校へいきました。いつもの眠そうな顔からは想像もつかない手際の良さに私はびっくりし、そして遅れて学校に向かいました。

その時から旦那を意識してしまって、ジュースのおごりといわれても一向に話しかけることができませんでした。

野暮ったい顔はじめはそう思っていた

私は部活で卓球をやってて、旦那は、バスケ部。同じ体育館で部活をしていても遠巻きに彼を眺めていることしかできませんでした。
ある日いつもどうりに部活をやっていた時です。ピンポン玉がコートから外れ、バスケ部の練習しているほうへむかいました。その時バスケ部は紅白戦をやっていたみたいで、いつもはなげて返してもらってはいたんですがその日はそんな暇がないようでした。幸い玉もバスケ部のコートの端、邪魔にならなそうだし、私は取りに行きました。
そろっとピンポン玉をひろい、自分のコートに戻ろうとした時です。

「あぶない!」

頭に強い衝撃がはしり、打ち所が悪かったのか、私は意識を失ってしまいました。

気が付くと体育館のすみでみんな私を心配していました。どうやらコートから外れたバスケットボールが当たったみたいです。念のため保健室に向かおうとすると、旦那が付き添ってくれました。なんで!?って思ったけど、どうやら旦那がはじいたボールが私にあたったらしく少し責任感をかんじているようでした。

チェーンを直してくれた時とはちがい、真剣な彼の顔を見ているとまた私は心がひかれていきました。
保健室に行き、後日病院へ行くことを決めると、彼は心配して病院までついて来ようとしましたが、さすがに気を使いすぎと思い、じゃあ結果がわかったら連絡するということでメールアドレスをその場で交換しました。ふと自販機が目の前にあったので、私はジュースを買って、彼に渡しました。彼はきょとんとしていましたが、チェーンのお礼というと、心配していた顔が一転、プッと吹き出し笑顔で今更かよと突っ込んでくれました。

頭のけがは大事なく、彼に伝え、それから、彼と私は毎日メールをしました。
夕飯何食べた?昨日のテレビ面白かったねとか他愛のない話が楽しみで毎日が楽しみで仕方なかったんです。
でも私と旦那はお互いに告白もまだなまま、あいまいな関係でした。
そんな時、転機が訪れました。

いつもと違う、ひんやりとした夜風

3年の春、いつものようにメールをしていると、彼が電話をしてもいい?と突然メッセージをくれました。いいよといって、すぐにコール音が鳴り、自分の部屋から何となくベランダに出て、彼と話をしました。

「突然ごめん」

「いいけど、電話なんて珍しいね」

「いや、なんとなくちゃんと話さなければなと思って」

彼の口ごもった喋りがいつもとは違い、私はおかしくなって笑いをこらえるのに必死でした。

「もったいぶんないで話してよ。私との中じゃん。なに?好きな人ができた?」

彼とは反対に饒舌な口調で私は話をせかしました。

「いや、ちょっと違うけど、、、後輩に告白されてさ。」

冷たい風が頬をかすめたとき、彼の言葉がそれと一緒に私の胸にささりました。
同時に私の頭は空っぽになり、でもいつも通りにしなきゃとも思いました。

「そ、そう。よかったじゃん!初彼女じゃない?ちゃんとはっきり返事しなきゃね。」

「でも、」

「でもじゃないでしょ。いつも眠そうな顔しているけど、今度ばかりはだめだよ。今日はもう寝て頭すっきりさせて返事をしなさい。じゃあね!」

勢いにまかせて、電話を切り、風にあたりながらボーっとしていると涙があふれてきました。彼とはこのままの距離でいいと思っていたのですが、それがもう無理とおもった瞬間、涙が止まりません。ぬぐっても、我慢しようにも止まらない涙は、嗚咽交じりになり、誰に届けるわけでもなく、空にこだましていきました。
一瞬我にかえり、親が起きてしまうと思った私はベットに移動し枕にやつあたりしながら、泣き、泣き疲れ、そのまま眠りにつきました。

止まった恋心と進む時間

あけて朝、真っ赤にはれた、目をみて、親は心配していましたが、何でもないといいその日は飛び出して学校に行きました。通いなれた通学路が、重く、暗く感じたのはその日が初めてです。重い足で自転車をこいでいると、彼がばつの悪そうな顔でまっていました。私はびっくりして、泣きはらした顔を見られたくないと思い、すぐに回れ右で彼から逃げようと思いました。しかしすぐに彼は追ってきました。必死で逃げたけど、ここで自転車のチェーンが外れてしまい、彼に追いつかれてしまいました。

「大丈夫?」

たずねてきた彼にそっぽを向いたままうなずくのが精一杯です。
彼は自分の自転車をとめ、無言のまま、私のチェーンをなおしてくれました。

「ちょっと公園ではなさない?」

彼にいわれ、少し悩みましたが、うなずき、近くの公園に移動しました。

また進む ペダルとともに

ベンチにすわり押し黙る私たち。

「昨日は変なこといってごめん。」

彼からぽつりと語りかけ、話をつづけました。

「告白はされたけど、断ろうと思っているんだ」

わたしはびっくりして、そこではじめて彼のほうをみました。
そんな私の顔をみてニカッと笑い、

「やっとこっち向いてくれた。」

そういって私の顔を両手でつかみ、

「好きなんだ。」

目をみつめて、いわれました。私がボールに直撃した時、心配をしてくれたのと同じ顔。本気の言葉を受けたとき私はただただ、黙って彼の顔を見ていることしかできませんでした。

長い長い時間がたったように思えます。頭の中で整理していると、言葉の意味を理解し、またぽろぽろと涙がでてきました。
彼は慌ててましたが、両手は私の顔をわしづかみにしたままです。大きな手で涙をぬぐってくれて、そうしてもらえるうちに彼のやさしさがとてもうれしく感じました。

「私も好きです。もうメールとか軽口いえんと思って、つらくって。でも初彼女だからよろこんであげなきゃって昨日おもって。。」

支離滅裂、嗚咽交じりで、彼への気持ちをいうと、うんうんと、うなずきながら落ち着くまで、涙をぬぐってくれました。

涙が止まり、気持ちが落ち着くと、また改めてうれしさがこみあげてきました。無言のままこの時間をかみしめたいとも思いました。しかしぽつりぽつりと彼は今まで、あってから好きになったまでを話はじめ、私はとても恥ずかしくなっていき、私も彼の好きなとこをい言い返していました。きづけば2時間くらい公園で話していたと思います。そこではじめて学校をさぼったことに気づきました。急いでいこうとすると、

「どうせなら午後から行こうよ、そっちのほうが切りいいじゃん。」

と彼は、カバンから弁当をだしました。
ちょっとあきれましたが、まぁいいやと思い、自動販売機でジュースを買い彼に渡しました。

「チェーンのお礼。」

そう言ってわたすと、ニカッと彼はわらいました。

高校の春、初めて学校をさぼった日、懐かしい思い出です。まさかそのまま結婚するとは思いませんでしたが今でも旦那の笑顔をみると、あの時のことを思い出します。

びっくりしたのが、息子の笑顔も旦那そっくりということです。二人の笑顔をみていると、毎日がとても幸せに感じます。