ＥＵ、コール元独首相の葬儀検討　実現すれば初の主催

　欧州連合（ＥＵ）が、１６日に死去したヘルムート・コール元独首相の葬儀を検討している。実現すれば、初めてのＥＵ主催の葬儀となる。欧州の単一通貨ユーロの導入に道筋をつけるなど、ＥＵに深く貢献したことがその理由だ。

　ＥＵの欧州委員会の報道官によると、欧州議会があるフランス・ストラスブールで近日中に「ＥＵ葬」を行う方向で調整を進めている。コール氏と共にユーロ導入に奔走するなど、関係が深いユンケル欧州委員が主導しているという。

　コール氏は旧西ドイツ首相として、１９９０年の東西ドイツ統一の実現に寄与した。欧州統合の推進にも力を発揮したことから、９８年、ＥＵから当時２人目となる「欧州名誉市民」の称号を与えられた。（ブリュッセル＝津阪直樹）