今回の記事は佐渡「つぶろさし」編の関連記事となっております!
・日本お祭り紀行その① 佐渡「つぶろさし」~Part1~
・日本お祭り紀行その① 佐渡「つぶろさし」~Part2~
羽茂祭りでは神社行事の他にも、地区内イベントとして小学生みこしや幼児みこし、中学生のおけさ流しや総おどりが行われている。この日は学校も休みになるようで、相当な力の入れようだ。
そんな中、商工会前広場や陶芸センターの駐車場では大道芸が行われていた!全ての方を見ることは時間の都合で出来なかったのだが間近で見ると面白い。
(写真はパフォーマンスの一場面。羽茂支所の前で出合った際にブログへの許可いただけました)
「おじゃるず」さんは一度見たら決して忘れないその長い頭が印象的な大道芸人だ。
今回の羽茂祭りにはおじゃるず1号さんとおじゃるずくろこさんが出演していた。
また、「わくわくばらえてぃーつあー」と銘打って佐渡各地を回り皆を楽しませている最中である。6月24日には佐渡・宿根木で公演予定らしいのでぜひ見学に行ってみてはいかがだろうか?
さらに海外でも積極的に公演を行っているようで、結構な数の国にいっているようだ。
「華千代」さんは宮城を中心にアクロバティックなパフォーマンスで観客を楽しませる大道芸人だ。
さらに驚きなのが、「古民家プロジェクト」と題し、佐渡で古民家を再生したり畑仕事をしているということ。私は見れなかったのだが、県内ニュースで佐渡で実際生活しながら……と放送されたのはおそらく華千代さんだろう。
何度目かの共演ということで、やはり息があっている様子。
しかも「観客参加型」なのでつらい部分もあったと思うが、間の持たせ方がやはり巧いなぁと感心しっぱなしである。特に華千代さんのイス上パフォーマンスの際に、椅子の固定に時間がかかりそうだとみるや、おじゃるず1号さんがおどり始めたのは個人的にとても感動。やはり場馴れしていらっしゃる!
そして気がついたら「いとをかし」の世界に入り込んでいた。
私が思うのはこの「観客参加型」が大道芸の究極点では? ということだ。
確かに個々のずば抜けた技術を見るのも楽しいのだが、地域の祭の場合は観客・地域の人が参加することにより一体感が増すというのが非常に重要なことに思える。そして芸の「おやくそく」に付き合ってくれる人を見極めることが難しいのではないだろうかと感じた。その点「子供の参加」というのは双方利があって良い事なのだろうと思う。
門付というのは大道芸の一種で門口に立ち芸を行い金銭などを受け取る芸能のことで、多くが予祝芸能となっている。この予祝芸能はあらかじめ祝うことでその実現を祈るものだ。季節の変わり目や年の改まった新年に多く見られた芸能である。
門付芸というと人形による門付や、館ぼめ、獅子舞なんかが思い浮かぶが、おそらくはそれぞれの地域にそれぞれの門付が伝承、あるいは毎年やってくる門付芸人なる人物がいて特色のあるものが伝わっていたのだろうが、どんどん廃れていき消滅の憂き目を見たのだと思われる。
しかし、この「いとをかし」さん達は実際に自分たちも俵の製作に携わっただけでなく、門付芸をやってみせてくれたのである。倉谷地区には大わらじの道祖伸やそれに纏わる民話も伝わっているのでそこを中心に過去には行われていたに違いない。しかもこの広場前だけでなく、この方たちは実際に家々を訪れて門付を行っているのである。私もこれを見てうるっときたぐらいなので年輩の方が泣いて喜んだというのは当然というか本当に有難かったのだろうと想像出来る。この佐渡に伝わるであろう門付を披露してくれたことがやはり素晴らしい。大道芸人の鑑だろう。年輩の方々はマレビト信仰なんかも相まって本当に神のように見えたのではないだろうか?
自分の頭の中では羽茂祭りを見たらせっかくだし「二ツ岩大明神」にお参りしていこう、と考えていたのだ。そこでここから相川までどうやって行ったら良いでしょう?と羽茂支所を訪れた。
そこで親切に説明してくれたのだが、どうやらバスではもう時間的に不可能。車でも1時間~半ぐらいはかかるのではないだろうか、とのことだった。無計画も楽しいがやはり計画は大事なのである。
そこでタクシーで相川まで行くことに決定。その時のタクシードライバーの方は本当に親切な方でプロとはこういう人を言うのだな、と一人感心してしまった。
こちらが「二ツ岩大明神」だ。ぶっちゃけカーナビがあっても気がつかないような所を曲るので本当に地元のタクシードライバーの方に送っていただいて助かった。ここの神社は車一台通れるかどうかという細い道を車で10分ほどのぼったところにある。左右の道からは荒れ放題の草木が伸び、行く手をさえぎる。
こちらの神社に祀られているのはかの有名な「団三郎狸」である。
狸ファンなら知らぬ人はいないこの団三郎狸は「芝右衛門狸」「太三郎狸」と並び「日本三名狸」に数えられている。また佐渡には狐がおらず、それは団三郎が狐を佐渡から追い払ったせいだとも伝わっている(そのせいか、佐渡には全国的にも珍しい狸憑きというものが存在していた)。さらにこの神社には「願いが成就したら鳥居を奉納する」という信仰があり(団三郎狸は狐が嫌いなんですよ、ええ)未だに奉納されていた。ただしというか、奉納される鳥居は赤くはない。普通の木の色である。
さらにタクシードライバーの方から衝撃の一言が。
「少し前までは奥のほうに祠もあったんですよ。だけど全部燃えてしまってねぇ。どうやら放火だったらしんだが……」
はあぁぁ?
慌てて上ってみると、たしかに綺麗にそこだけ燃えていた。木や何かが燃えたあとが確認できたのである。残念ながら私が訪れた2017年6月現在では再建されていない。それどころか全くそんなものがあったのかと忘れ去られた様子で、瓦礫も放置。奥の社務所?らしき建物は倒壊寸前。瓦は落ち、斜めに傾き額は外されていた。これは本当に悲しい。募金して再建できるものなら喜んで募金するのであるが募金は募っていないようだ。
「ほら、平成狸なんちゃらっていう映画にも出てたのにねぇ」
地元の人でもここは知らない人が多いんじゃなかな?とタクシーのドライバーさんはしんみりと呟いた。
が、団三郎狸は「平成狸合戦ぽんぽこ」には出ていないのである。
名前だけの登場で、その時にはもう猟師に打ち殺されてしまっている。食糧難ということから推測するとおそらく狸汁になってしまっている模様。
金長狸は有頂天家族にも出ているし、隠神刑部は水木しげるロードにいたりもするのになぜこうも「団三郎狸」は影が薄いのか!?
あとで知ったのだが、こちらの「二ツ岩大明神」、心霊スポットでもあるらしい。写真には何も写ってないですよね?
祭り番外編・佐渡グルメへ続く
・日本お祭り紀行その① 佐渡「つぶろさし」~Part1~
・日本お祭り紀行その① 佐渡「つぶろさし」~Part2~
羽茂祭りでは神社行事の他にも、地区内イベントとして小学生みこしや幼児みこし、中学生のおけさ流しや総おどりが行われている。この日は学校も休みになるようで、相当な力の入れようだ。
そんな中、商工会前広場や陶芸センターの駐車場では大道芸が行われていた!全ての方を見ることは時間の都合で出来なかったのだが間近で見ると面白い。
目次
長い頭とアクロバットで観客を魅了!「いとをかし」
私が見たのは「おじゃるず」さんと「華千代」さんのユニットである「いとをかし」(写真はパフォーマンスの一場面。羽茂支所の前で出合った際にブログへの許可いただけました)
「おじゃるず」さんは一度見たら決して忘れないその長い頭が印象的な大道芸人だ。
今回の羽茂祭りにはおじゃるず1号さんとおじゃるずくろこさんが出演していた。
また、「わくわくばらえてぃーつあー」と銘打って佐渡各地を回り皆を楽しませている最中である。6月24日には佐渡・宿根木で公演予定らしいのでぜひ見学に行ってみてはいかがだろうか?
さらに海外でも積極的に公演を行っているようで、結構な数の国にいっているようだ。
「華千代」さんは宮城を中心にアクロバティックなパフォーマンスで観客を楽しませる大道芸人だ。
さらに驚きなのが、「古民家プロジェクト」と題し、佐渡で古民家を再生したり畑仕事をしているということ。私は見れなかったのだが、県内ニュースで佐渡で実際生活しながら……と放送されたのはおそらく華千代さんだろう。
何度目かの共演ということで、やはり息があっている様子。
しかも「観客参加型」なのでつらい部分もあったと思うが、間の持たせ方がやはり巧いなぁと感心しっぱなしである。特に華千代さんのイス上パフォーマンスの際に、椅子の固定に時間がかかりそうだとみるや、おじゃるず1号さんがおどり始めたのは個人的にとても感動。やはり場馴れしていらっしゃる!
そして気がついたら「いとをかし」の世界に入り込んでいた。
私が思うのはこの「観客参加型」が大道芸の究極点では? ということだ。
確かに個々のずば抜けた技術を見るのも楽しいのだが、地域の祭の場合は観客・地域の人が参加することにより一体感が増すというのが非常に重要なことに思える。そして芸の「おやくそく」に付き合ってくれる人を見極めることが難しいのではないだろうかと感じた。その点「子供の参加」というのは双方利があって良い事なのだろうと思う。
「大道芸」と「門付」
そして特に素晴らしかったのが門付芸の俵転がしと俵積み唄だ。門付というのは大道芸の一種で門口に立ち芸を行い金銭などを受け取る芸能のことで、多くが予祝芸能となっている。この予祝芸能はあらかじめ祝うことでその実現を祈るものだ。季節の変わり目や年の改まった新年に多く見られた芸能である。
門付芸というと人形による門付や、館ぼめ、獅子舞なんかが思い浮かぶが、おそらくはそれぞれの地域にそれぞれの門付が伝承、あるいは毎年やってくる門付芸人なる人物がいて特色のあるものが伝わっていたのだろうが、どんどん廃れていき消滅の憂き目を見たのだと思われる。
しかし、この「いとをかし」さん達は実際に自分たちも俵の製作に携わっただけでなく、門付芸をやってみせてくれたのである。倉谷地区には大わらじの道祖伸やそれに纏わる民話も伝わっているのでそこを中心に過去には行われていたに違いない。しかもこの広場前だけでなく、この方たちは実際に家々を訪れて門付を行っているのである。私もこれを見てうるっときたぐらいなので年輩の方が泣いて喜んだというのは当然というか本当に有難かったのだろうと想像出来る。この佐渡に伝わるであろう門付を披露してくれたことがやはり素晴らしい。大道芸人の鑑だろう。年輩の方々はマレビト信仰なんかも相まって本当に神のように見えたのではないだろうか?
潜入!「二ツ岩大明神」
しかしここに来て私は佐渡の広さを知ることになる。自分の頭の中では羽茂祭りを見たらせっかくだし「二ツ岩大明神」にお参りしていこう、と考えていたのだ。そこでここから相川までどうやって行ったら良いでしょう?と羽茂支所を訪れた。
そこで親切に説明してくれたのだが、どうやらバスではもう時間的に不可能。車でも1時間~半ぐらいはかかるのではないだろうか、とのことだった。無計画も楽しいがやはり計画は大事なのである。
そこでタクシーで相川まで行くことに決定。その時のタクシードライバーの方は本当に親切な方でプロとはこういう人を言うのだな、と一人感心してしまった。
こちらが「二ツ岩大明神」だ。ぶっちゃけカーナビがあっても気がつかないような所を曲るので本当に地元のタクシードライバーの方に送っていただいて助かった。ここの神社は車一台通れるかどうかという細い道を車で10分ほどのぼったところにある。左右の道からは荒れ放題の草木が伸び、行く手をさえぎる。
こちらの神社に祀られているのはかの有名な「団三郎狸」である。
狸ファンなら知らぬ人はいないこの団三郎狸は「芝右衛門狸」「太三郎狸」と並び「日本三名狸」に数えられている。また佐渡には狐がおらず、それは団三郎が狐を佐渡から追い払ったせいだとも伝わっている(そのせいか、佐渡には全国的にも珍しい狸憑きというものが存在していた)。さらにこの神社には「願いが成就したら鳥居を奉納する」という信仰があり(団三郎狸は狐が嫌いなんですよ、ええ)未だに奉納されていた。ただしというか、奉納される鳥居は赤くはない。普通の木の色である。
さらにタクシードライバーの方から衝撃の一言が。
「少し前までは奥のほうに祠もあったんですよ。だけど全部燃えてしまってねぇ。どうやら放火だったらしんだが……」
はあぁぁ?
慌てて上ってみると、たしかに綺麗にそこだけ燃えていた。木や何かが燃えたあとが確認できたのである。残念ながら私が訪れた2017年6月現在では再建されていない。それどころか全くそんなものがあったのかと忘れ去られた様子で、瓦礫も放置。奥の社務所?らしき建物は倒壊寸前。瓦は落ち、斜めに傾き額は外されていた。これは本当に悲しい。募金して再建できるものなら喜んで募金するのであるが募金は募っていないようだ。
「ほら、平成狸なんちゃらっていう映画にも出てたのにねぇ」
地元の人でもここは知らない人が多いんじゃなかな?とタクシーのドライバーさんはしんみりと呟いた。
が、団三郎狸は「平成狸合戦ぽんぽこ」には出ていないのである。
名前だけの登場で、その時にはもう猟師に打ち殺されてしまっている。食糧難ということから推測するとおそらく狸汁になってしまっている模様。
金長狸は有頂天家族にも出ているし、隠神刑部は水木しげるロードにいたりもするのになぜこうも「団三郎狸」は影が薄いのか!?
あとで知ったのだが、こちらの「二ツ岩大明神」、心霊スポットでもあるらしい。写真には何も写ってないですよね?
祭り番外編・佐渡グルメへ続く
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