僕が人を信じることができないのは、つまるところ自分に自信がないからだと思う。自分を信じることができないから、同じ人間である他人も心から信じることができない。
他人を信じることができないから、他人から愛されることもない。誰からも愛されないから、自分に自信が持てない。自分に自信が持てないから他人からも愛されない。そのような出口のないループに絡め取られている。出口のないループの中でどうすることもできないという無力感に苦しみながら、身動きできないまま酸のように腐敗していく。
一方、自分に自信がある人間は魅力があるので、人から愛される。人から愛されるから、自分に自信が持て、卑屈感の無い魅力的な人間になり、ますます愛されるようになっていく。
恵まれた人間はそのことに無自覚に、恵まれた人間同士の繋がりの中で、ますます豊かになっていき、何もない人間は何をしても報われない無力感に苛まれながら、じわじわと圧死するような日々を強いられている。
この残酷な現実にどう立ち向かえばいいのだろうか。