米アマゾン 高級スーパー買収で生鮮食品販売に本格参入

米アマゾン 高級スーパー買収で生鮮食品販売に本格参入
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アメリカのネット通販大手、アマゾン・ドット・コムは、アメリカの高級スーパーをおよそ1兆5000億円で買収すると発表し、生鮮食品の販売に本格的に乗り出すことになりました。
アマゾン・ドット・コムは16日、アメリカの高級スーパーのホールフーズ・マーケットを137億ドル(およそ1兆5000億円)で買収すると発表しました。
ホールフーズは、都市部を中心に全米でおよそ450店舗を展開し、高級な食材や自然食品の豊富な品ぞろえで知られています。
アマゾンはすでに一部の地域で、ネットで注文を受けた生鮮食品の配送サービスを手がけていますが、売り上げ規模で全米10位のスーパーの買収によって実際の店舗での食品の販売を拡大する狙いがあります。
アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは「ホールフーズは40年近くにわたって、顧客を満足させてきた、すばらしい会社だ」と述べ、スーパーの名前や経営陣は変更しないということです。

アマゾンは先月、ニューヨークに書店をオープンさせるなど、ネットで買い物をしない客層を取り込もうと実際の店舗の出店を強化しています。アマゾンは書店や家電量販店など、小売業の勢力図を次々と塗り替えてきただけに、生鮮食品の分野への本格参入はアメリカで大きな関心を集めています。

競合の小売企業 株価大きく下落

アマゾン・ドット・コムが生鮮食品の販売に本格的に乗り出すことになったことを受けて、競合するスーパーなど小売企業の株価は大きく値下がりしました。

16日のニューヨーク株式市場ではアマゾンの発表を受けて、アメリカの小売最大手、ウォルマート・ストアーズの株価は前日より4.7%下落したほか、ターゲットが5.1%、大手スーパーのクローガーは9.2%、それぞれ値下がりしました。

これはアマゾンの参入によって生鮮食品の販売競争が激化し、既存のスーパーが影響を受けるという見方が広がったためです。

一方、アマゾンは買収によって実際の店舗を大量に獲得し、ネットで注文した商品の受け取りに使うといった大きな効果が期待できるとして、市場は好感し、アマゾンの株価は2.4%値上がりしました。

生鮮食品は、実際に手に取って、買いたいという人が多く、ネット通販には向いていないと見られてきましたが、アマゾンがスーパーの業界に、どのような変化をもたらすのか市場が注目しています。