群馬県前橋市のスーパーのトイレからトイレットペーパー2個を盗んだ男に対して、前橋地裁が14日に懲役7カ月の実刑判決を言い渡した。執行猶予期間中の再犯であることを考慮した実刑判決だが、中国では「日本でトイレットペーパーを持ち帰ったら刑務所行きになった」と驚きの声が起きているようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 群馬県前橋市のスーパーのトイレからトイレットペーパー2個を盗んだ男に対して、前橋地裁が14日に懲役7カ月の実刑判決を言い渡した。執行猶予期間中の再犯であることを考慮した実刑判決だが、中国では「日本でトイレットペーパーを持ち帰ったら刑務所行きになった」と驚きの声が起きているようだ。

 中国メディア・今日頭条は15日、この件を伝えるとともにネットユーザーの意見を求める記事を掲載した。記事には、盗んだペーパーの価値が40円だったこと、男が1年前に酒気帯び運転の道路交通法違反で懲役7カ月、執行猶予3年の判決を受けていたこと、試食品を全て食べてしまうことからこのスーパーに「出入り禁止」扱いされていたことなどを説明している。
 
 「この件についてどう思うか」との記事の問いかけに対して、ある中国のネットユーザーは「こんなことが日本で起こったことに深い感慨を覚える。中国ではペーパーの持ち逃げが習慣化してしまっているが、日本のような先進国ではまず見られないからだ。判決の厳しさからは、モラルの高い国としての自信も伺える」と回答した。

 また、別のユーザーは「日本社会の、公共資源を盗むことに対する容赦のなさが伺える。日本のように重罰を下してこそ、公共物を拝借する者とって脅威となり、行動を制限できるのだ」としている。
 
 中国メディア・毎日経済新聞の副編集長は「こんな小さなことで、と思うかもしれないが、これは金額の問題ではなく、盗んだという行為を法治によって罰した結果だ。それは支持されるべきだが、だからといってわが国がそのまま取り入れる必要はない。そして、社会には法治の一方で、市民どうしの関心や思いやりが必要なのだ」と論じている。

 総じて、中国の感覚からすれば実刑判決は重すぎるが、罰の重さが日本の法治と社会モラルを支えているという見方だ。一方、中国でも見習うべきか、という点についてはそれぞれ意見が異なるようである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)