4月に現在完了形の使い方について説明しました。その現在完了形には、それを利用する時に説明を補完してくれる便利なものがいくつか存在しています。今回は、その現在完了形を補完してくれるものに注目し、それらをどう使えるようにするかを説明していきます。(そこから英会話上達へのヒントを探ります)
現在完了形を補完してくれるものとは?
現在完了形を補完してくれるものを見ていく前に、現在完了形がどういったものかを簡単に説明しておきます。
現在完了形は『 ある過去から現在まで続いていること 』を表現する時に利用するものです。
形は、[主語 have/has 動詞の過去分詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
=> I have finished my work.(私は 終えた 仕事を)
現在完了形は、ある過去から今現在まで連続している/継続している行為を表現しているので、この文の正確な日本語は [私はある時期から続けていた仕事を今終えた] ということです。現在完了形を使うことで、相手は [ある時期から今も続けている/続いている] ということを判断できます。
詳しく知りたい方は、こちらを読んでください。
現在完了形は、基本文の動詞が拡張した文と考えてください。
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は、[主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは、状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連] ,,,, 基本、名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it(正確には、動詞に関連するもの)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には、接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていく] ことを意味しています。
英語の基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
現在完了形を補完してくれるもの-1
現在完了形を補完してくれるもの中で最初に取り上げるのは、以下の2つです。
- already => もう(肯定文)
- yet => もう(疑問文) / まだ(否定文)
[already] は、既に行った行為を [もう(既に)~] という形で強調したい時に使います。
配置する場所は、have と動詞の過去分詞の間です。
=> I've already finished my work . (私は もう終えた 自分の仕事を)
=> Bob has already gone . (ボブは もう行ってしまったよ)
これは [予期していたより早く(~した)] ということです。
[yet] は二つの意味で使われます。
疑問文 => もう(~した?)
否定文 => まだ(~していない)
配置する場所は、基本、文の最後です。
=> Have you finished your work yet ? (あなたは 終わったの 仕事は もう)
これは [相手が~するのが予定より早く終わったとき]、または [~するのが終わったかを急かすとき] に有効です。
=> I have not finished my work yet .(私は 終わってないよ 仕事は まだ)
これは [自分がしていることが終わっていないことを強調] します。
現在完了形を補完してくれるもの-2
続いて取り上げるのは、以下の2つです。
- ever => 今までに~(疑問文で) / 今までで~(肯定文で)
- never => 今までに一度も~したことがない / 決して~しない
[ever] は、[今までに~(疑問文で)]、[今までで~(肯定文で)] という意味で使われます。
疑問文の [今までに~] ということは、基本的に生まれてから今までの期間ということです。
=> Have you ever seen the picture ? (あなたは 今までに見たことある? その絵を)
=> Have you ever been to Europe ? (あなたは 今までに行ったことある? ヨーロッパに)
形は、[Have 主語 ever 動詞の過去分詞 ~] となります。
現在完了形は、ある過去から現在までの連続性を表現するものなので、[ever] とはとても相性がいいです。基本的に [ever] は疑問文で使われ、肯定文で使うのはある一定のパターンでのみと考えましょう。
肯定文での主な形は、
1, 主語 動詞 最上級 ever .
2, 主語 動詞 最上級 (関係代名詞) 主語 have ever 過去分詞
=>This news is the most interesting ever .(このニュースは 最も興味深い 今までで)
=>He is the tallest man (who) I've ever seen .(最も背の高い男です 今まで会った中で)
[最も~だ 今までで] ということを表現するので、最上級とセットで使われます。最上級とは、[the most 形容詞/the 形容詞est] のことです。(すぐにではありませんが、そのうち説明したいと思います))
[never] の意味は、大きく分けて2つあります。
- 1-今までに1度も~したことがない
- 2-決して~しない
1,[今までに1度も~したことがない]
=> I've never seen the picture .(私は 1度も見たことがない その絵を)
=> I've never been to Europe .(私は 今まで1度も行ったことがない ヨーロッパに)
形は、[主語 have never 過去分詞 ~] で、現在完了形とセットで使うことで過去に1度も体験したことがないと表現できます。基本的に、今までの過去全部についての説明なので、近い過去、最近のことと一緒に使うと違和感が生じます。
x ,,, I've never seen her since yesterday .
o ,,, I haven't seen her since yesterday . (会っていない 彼女に 昨日から)
近い過去、最近のことは [never] ではなく、[not] を活用しましょう。これは [ever] にも同じことがいえます。
こちらに実際の [never] を利用例があるのでどうぞ。
2は、完了形以外との組み合わせで、三つのパターンに分けられます。
2, 一度も~しなかった(過去の習慣)
3, ~することは決してないだろう(将来の予測)
使い分けは簡単です。
1 => 主語 never 動詞の原形
2 => 主語 never 動詞の過去形
3 => 主語 will never 動詞の原形
=> He never tell a lie . (彼は 決して 嘘をつかない)
=> He never told a lie . (彼は 決して 嘘をつかなかった)
=> He will never tell a lie . (彼は 決して 嘘をつかないだろう)
be動詞は、[never] の前で使います。
=>He is never at home . (彼は 決して/通常いつも 家にいない)
どうやってそれらを使えるものにしていくのか?
まず [already] と [yet] ですが、[already] => [もう]、[yet] => [もう/まだ] というのを見てあなたはどんなことを感じますか?
私はこれを非常に面倒な仕組みだと感じるので、[already] => [もう]、[yet] => [まだ] としています。全く反対の意味の言葉を同じ単語で表現できるのは、素晴らしいことのようにみえて、実は頭が混乱する要因となります。
なので [yet = まだ] とだけ考えます。
理由は、[もう] = [already] と頭に入れたいのと、[~できた?] か聞かれた時に便利に利用できる、[Not yet.(まだです/まだだよ)] という表現と感覚を連動させたいからです。
この [まだ~] で使える [yet] を使いこなせるようになると、次の文を展開をしやすくなります。
日本語で考えてみるとわかりやすいと思います。
=> ~してない という文より、
=> ~してない まだね のように [まだ] があると、
その後に、
=> でも、あと少しで終わるよ
=> もう少しかかりそうだよ
=> だから、ちょっと待ってて などと続けやすくなります
そういった後に続く文を一緒に考えるとより効果的なので、[yet] を使った英文の後につなげられる英文を考えながら [yet] を勉強していきましょう。
[ever] は、[already/yet] と同じように文を強調するものです。基本使わなくても大きな問題はありません。なので最初のうちは使わないことにします。
ただずっと使わないのももったいないので、現在完了形を使うのに慣れてきたら、=> Have you ever 動詞の過去分詞 動詞に関連 ~? という形で使うことで [ever] の感覚を養い、その後、=> This news is the most interesting + ever. とたまに文の最後で利用できるように練習します。
[ever] は強調の他に、会話にリズムと躍動感をもたらしてくれます。([yet] にも同じことが言えます) 基本なくてもいいけど、またに使おうくらいの感覚で頭に入れましょう。
[never] は、[1,今までに一度も~したことがない] を中心と考え、[2,決して~しない] は使い過ぎないようにします。
なぜ使い過ぎに気をつけるのかというと、[決して~ない] ということは物事を断定することです。断定し過ぎることは、相手を不快にする要素の一つになります。
=> 決して彼は成功しないよ
=> 決して俺はミスしない 等と、
しょっちゅう言われたら良い気しないはずです。基本 [not] を使い、強調したい時に [never] を使う事にします。
最初のうちは、使うものを狭めておくとアウトプットがしやすくなります。どれを使いどれを使わないということを決めておくことで、実戦で英語を使う前に頭の中を整理しておきましょう。
使うものを狭めて使えるようにする方法は、こちらでも説明しているので参考にしてください。
[already/yet] も [ever/never] も、たまに使うからこそ効果を発揮すると考えましょう。これらは現在完了形とのみ一緒に使うものではありませんが、現在完了形と相性が良くその意味を効果的に補足してくれます。使えるように勉強と練習を積み重ねましょう。それがあなたの英会話を上達させていきます。