地下鉄・市バス、乗継割引拡大へ 共通券「京カード」
京都市交通局が、市営地下鉄と市バスの共通乗車券「トラフィカ京カード」の乗り継ぎ割引の拡大を検討している。観光客増加による市バスの混雑で市民に不満が高まっていることから、市民に人気の京カードの割引を行い、サービスを充実させる。実施は来年度以降になる見通し。
京カードは3千円(利用額3300円)と千円(同1100円)が販売され、現在はバスとバスを乗り継ぐと90円、バスと地下鉄では60円が割り引きされる。利用額の1割上乗せと乗り継ぎ割引で市民には「お得な乗車券」として知られ、2015年度は202万枚を売り上げた。観光客よりも市民の購入が多いという。
訪日外国人ら観光客増加で、近年は市バスの混雑が目立ち、生活の足となっている路線まで観光客であふれるようになっている。市民の不満は大きく、市議会からも「市民目線に立った対策が必要だ」と改善を求める声が上がっている。
これを受け、市交通局は市民の利用が多い京カードの充実に向けた検討を開始。乗り継ぎ割引を拡充させた場合、混雑する市バスから地下鉄への乗り換え促進にも効果があるとみている。
今後、経営難の地下鉄事業への影響も考慮し、割引幅を決める方針。同局によると、運賃システムの更新が必要で適用には最低1年以上かかる、という。
好調な京都観光による経済効果が実感できない市民も多いなか、利益をどう還元するのか、注目が集まりそうだ。
【 2017年06月17日 19時00分 】