いつも拝読している、まけもけ(id:make_usagi)さんの記事で、目についた「森永の絹ごし豆腐」
これを見て、ぐわぐわ団への入団活動、もとい森永乳業への就職活動の記憶を思い出しました。
長持ち豆腐との出会い
はるか昔の学生時代、就職活動をしていた私は森永乳業さんへ面接に行きました。
その当時はインターネットでのエントリーもなく手書きで書くエントリーシート。なので、せいぜエントリーできたのは50社くらいだったでしょうか。
その50社の中に、なぜ森永乳業が入っていたのかは、今や全く覚えていません。
覚えているのは、「チョコボールはここじゃなったのか!」と訪問して初めて知ったこと。そう、森永乳業と森永製菓は別の会社です。
面接に行く会社の基本情報くらい事前リサーチしろよという感じですが・・・。
面接が終わり、お土産として渡されたのが、紙パック入りの豆腐でした。
長らく続く就職氷河期の真っただ中。「うな重も飽きてきたよ。」というバブル期の先輩体験談とは全く違い、どこの会社も経費節約のご時世でした。
なので面接でお土産なんてはじめて。それがうな重ではなく豆腐でもうれしいもの。
「森永が豆腐を作っているなんて知らなかったかと思います。それだけではありません。この豆腐は常温で何か月も保存できるんですよ。当社の殺菌保存技術を活用した画期的な商品です。」
「でも、これが市場に出回ると、日本に数少なくなってしまった豆腐やさんがつぶれてしまうんですよね。だから、今のところ海外展開商品として活用しています。海外での駐在者を中心になかなか人気なんですよ。」
豆腐は冷蔵庫が当たり前と思っていた、これまでの概念を覆す常温保存豆腐。アホな学生だった私でも「これはすげー!」と思える商品でした。
しかし、森永さんはあんまり売る気はないみたい。成長の種なのに・・・。日本全体を考える余裕がある会社だなと思った一方で、ちょっとがっかりも。
全般に森永乳業へ好印象は抱きつつも、リサーチすらしていない私にご縁があるわけもなく。そこで森永乳業との関係は終了となりました。
長持ち豆腐との再会
それからかなりの時が過ぎ、森永乳業が常温豆腐を販売するまでもなく、零細な豆腐やさんはほぼ絶滅してしまいました。
そして、思いもかけなく、ぐわぐわ団にてあの時の豆腐に再会。一気に懐かしくなりました。
引き合わせてくれたまけもけ(id:make_usagi)さんに感謝です。
私が今まで知らなかっただけなのかもしれませんが、販路は限定されているものの、いつのまにか一般でも売られるようになったんですね。
アマゾンで探しても売っていたので、思わずポチってしまいました。
- 出版社/メーカー: 森永乳業
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1個あたりの価格は普通の豆腐よりもまだまだ高いですが、すぐに賞味期限切れでダメにしてしまうわが家にとっては、選択肢のひとつかも。
食品衛生法の壁とチャンス
さて、長持ち豆腐の販売拡大の壁としては、保存方法があります。
森永の絹ごし豆腐は「賞味期限が10か月ももつのに冷蔵保存」というヘンテコな保存方法となっています。
これは、殺菌技術が発展する前にできた食品衛生法で、「豆腐は常温保存すべし」となっているため。
この結果、同じ森永豆腐でも、米国で販売されるものは「常温保存」、日本では「冷蔵保存」となっているようです。
ただ、この食品衛生法が、ここにいよいよ見直される動きになってきているようです。ようやく「常温保存」が公式OKとなるかも。
常温保存が森永乳業だけの独自技術かどうかはわかりませんが、もしそうならば、常温でスーパーでワゴンの山積み販売して豆腐の勢力地図を塗り替えるくらいのビジネスチャンス?
でも、私の就職活動の時代から今までずっと一般販売が進まなかったということは、意外にのんびりした会社なのかもしれません。
森永製菓と本当に統合する話もあるようですが、もともと安定した業績の会社だし、森永乳業の株でも買ってみようかと、ただいま思案中です。
就職活動の企業への印象はかなり長く続く?
そういえば、わが家の食卓を見渡してみると、いつも食べているヨーグルトも森永のラクトフェリンだし、子どものミルクも「E赤ちゃん」「はぐくみ」「チルミル」などの森永製品でした。
まったく意識はしていませんでしたが、就職活動でのお土産での好印象は、潜在的にずっと続いていたのかも。
そういえば、「就職活動中に圧迫面接された。それ以降、あそこの会社の商品は買ってないし、一生買わない。」と、10年以上経っているのに言っているやつがいたなぁ。
就職活動中の企業に対する印象というのはマーケティング的にかなり大事かも。
お土産作戦、なかなか効果高いかもしれないので、就職担当者はご検討を。