はじめに
これまでに、人物の顔や体、手・足などの描き方のポイントを挙げてきましたが、
今回は「髪」の描き方についてもまとめていきたいと思います。
単純に描く人もいれば、細かく質感を捉える人もいますが、
ここでは中間くらいの描き方と、塗り方をご紹介します。
ステップ1:髪の基本
基本人物はいわゆる坊主頭の状態に髪が生えています。
よく、アタリを取った後どうすればいいかわからないという人もいますが
カツラをかぶせるように描くとわかりやすいはずです。
キャラクターフィギュアの髪はこういうかぶせる方式なので
持ってる人ならピンと来るはずです。
アタリを取った地肌と髪の厚さのバランスを考えながら描いていきましょう。
実際に髪をセットしたりする時に分けやすい部分でもあるので
毛束を生かしたヘアスタイルの場合は
地肌がどの部分のパートから生えていて、どの方向に流すか考えて
描き入れていくといいでしょう。
整髪料(ワックス、スプレーなど)で流れに逆らった髪の場合も
根元と髪の方向を考えて描くといいですね。
つむじ(渦巻状の根元)は大抵頭頂部や後頭部の上付近にあります。
通常一つですが、まれに二つある人もいます。
髪をおおざっぱに伸ばした時や分け目をつける時の目安になることもあります。
人物をどう見せたいか、時代や世界観、性格、年齢などを考えながら描いてみましょう。
現代物は、最新の流行などをヘアカタログでチェックしてもいいでしょうし
時代物は服飾史や風俗史等の資料を参考に描いてみるといいですね。
それ以上に描く楽しみが多いですし、魅力を出しやすいです。
さらにヘアアクセサリーを加えたり、三つ編みなどをプラスすると
特徴を出しやすくなり、キャラクターの幅が広がります。
女性に限らず、帽子・ヘッドホン・サングラス・ゴーグルなどの小物もいいですね。
ステップ2:モノクロで表現
日本人やアジア系の多くは黒髪であることがほとんどです。
漫画原稿などでは、「ツヤベタ」といって
輝きのある黒髪を白と黒のコントラストで表現します。
そのまま髪の輪郭に合わせて全部ベタを塗ってもいいのですが
道具の特性を生かしてタッチをつけながら塗り残すと
自分なりの味を出しやすいです。
試せるものは試して、自分の好みのものを見つけてください。
デジタルなら、ブラシのサイズや太さを好みに変えて、
筆圧調整して見るといいでしょう。
塗り残す時は、光の当たる方向や髪の重なり具合で
残す量や位置を考えて塗っていきましょう。
ステップ3:カラーで表現
基本は明暗(濃淡)で表現するものなので、
1~2色のベタ塗りよりも3~4色以上の階調で塗ると立体感が出ます。
髪の流れと重なり、光の方向を考えつつ
質感を表現していくようにするといいですね。
髪も情報量が多く、一部しか伝え切れませんが
初心者向けに基本だけは入れたつもりです。
参考になるとうれしいです。