黒人男性を銃で死なせた警察官に無罪

去年7月、アメリカのミネソタ州で、警察の求めに応じて車を止めた黒人の男性を銃で撃って死なせたとして、過失致死などの罪に問われた警察官に対し、州の裁判所の陪審は16日に無罪の評決を言い渡し、反発する2000人の黒人や市民が抗議行動を行いました。
この事件はアメリカ中西部ミネソタ州で去年7月、警察の求めに応じて車を止めた黒人の男性が警察官に銃で撃たれて死亡したもので、助手席にいた女性がその様子を撮影した動画をインターネット上に投稿したことで、全米の注目を集めました。

この事件の裁判で、過失致死などの罪に問われた警察官は、男性が銃に手を伸ばそうとしたために命の危険を感じたなどとして正当防衛を主張し、州の裁判所の陪審は16日に警察官の訴えを認め、無罪の評決を言い渡しました。

評決のあと、男性の母親らが記者会見し、「とても失望している。黒人は社会制度によっておとしめられている」と訴え、強い不満を示しました。

裁判所の周りには黒人や市民らおよそ2000人が集まり、「正義がなければ平和はない」とか「黒人の命は重い」などと叫びながら、通りを行進しました。アメリカでは去年、この事件をはじめ、黒人が警察官に銃撃されて死亡する事件が相次ぎ、各地で抗議行動が激化しました。