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 スーパーマーケットに出向き、必要なモノだけ買うつもりだったのに、思わず買う予定のないものまで買ってしまった経験はないだろうか?

 あたし?ありまくりである。だってスーパーマーケットの店内は顧客に買い物を仕向けるようデザインされているんだからしょうがない。

 ショッピングカートやパンの焼けるいいニオイ、音楽や棚にいたるまで、細部にわたりもっと買ってもらうための研究に基づき運営されているのだ。

 スーパーの意図を知っておけば、ついつい衝動買いしてしまうことが少なくなるかもれない。ここではそうした、海外のスーパーのテクニックを見ていくことにしよう。

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10. 大きな買い物カート


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 コストコ、IKEAなんかでおなじみな巨大な買い物カート。こんなに大きい必要あるの? 実際、ほとんどの人はその半分も使わないのだがこれは意図的にそうされている。

 大きいカートは商品が一杯入っているように見えないため、十分買い物をしたような気分を味わえない効果があるのだ。人はカートが適切な大きさに作られていると考える傾向にある。そのために一杯にしようとしてしまう。カートの大きさが2倍になると、顧客は19パーセント多く買い物をするそうだ。


9. 香り


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 焼きたてパンの香りはたまらない。もちろんスーパーはこれを利用する。店内に入った瞬間、美味しそうな匂いが漂ってくるのは、パン屋がわざと入り口近くに設置されていることが理由だ。

 お腹が空いていたら、ついつい買ってしまうだろう。スーパーの狙いは顧客に頭ではなく、胃袋で買い物をしてもらうことだ。


8. 試供品、試食サービス


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 一見、親切な行為に思える試供品だが、真実はそうではない。無料の試供品や試食品は、特定の製品をプッシュして、売り上げを伸ばす優れた方法なのだ。

 例えばビールの場合、試食品が提供されていると売り上げが70パーセント伸びる。ワインは特にすごく、平均300パーセントも売り上げが増加するという。

 さらにリップスティックなどの化粧品なら550パーセント、冷凍ピザならなんと600パーセントの売り上げ増が見込めるのだ。

 日本の場合だと試供品や試食をしたら買わないと悪いという心が働く人も多いだろう。それすらも計算されているのだ。


7. 音楽


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 音楽は人の気分に大きな影響を与える。だが購買行動まで変えることをご存知だろうか? スーパーは忙しい時間帯にはアップテンポな曲をかけて回転を速めようとする。

 一方、そうでない時間帯なら、心拍数よりもゆっくりとしたリズムの曲を流す。すると顧客の店内滞在時間が伸びて、最大29パーセントも売り上げが伸びるそうだ。


6. 棚の高さ


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 顧客が最初に目にするものは極めて重要である。最も高価な商品を買ってもらうため、棚の陳列はもはや科学の域に達している。

 棚の中で最も売れない場所は、背伸びをしないといけない頭より高い場所だ。そもそも手が届かない人がいるし、見上げるのが嫌な人もいる。ここには利益率のあまり高くない、小さな小物類(万引き防止のため)を置いておく。

 反対に最高の場所は目の高さだ。目の高さはそれより低い位置よりも35パーセント多く注目される。このために最も利益率のいい商品は目の高さに陳列される。お買い得品をお探しなら、目の高さの商品は避けるべきだ。
 
 成人の腰くらいの高さは、子供にとっての目の高さであり、子供用の商品が置かれる。お菓子類がこの高さに置かれるのはこのためだ。ついでに言うと、子供は甘いものが好きなので、キャンディ会社は砂糖たっぷりの甘いお菓子を作る。

 最後に、棚の一番下は屈まなくては商品がとれないので、高い位置と同じくあまり売れない場所である。よって店側にとって旨味のある商品は置かれていないだろう。

 次に値札を見たとき、お買い得に思えても真に受けないことだ。それよりも見上げるか、足元を見てみるといい。

 関連記事:スーパーマーケットのレイアウトに隠された6つの心理作戦


5. 関連製品


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 潜在的に関連する商品がある。そうした関連製品の一方を顧客が買えば、もう片方も買う可能性は高い。

 それを知るスーパーは関連製品を隣り合わせて陳列する。歯ブラシが歯磨き粉と一緒に置かれているのはこのためだ。肉売り場には焼肉のたれ、野菜売り場にはドレッシングと、それを見た顧客は最初は買うつもりがなくてもつい手に取ってしまう。


4. 重要な商品は並べて置かない


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 反対に一緒に並べないものもある。顧客が店内を移動して探し回る方が売り上げが上がるからだ。ゆえに重要な商品は店内の離れた場所において、通路から通路へと移動してもらう。例えば、パン、牛乳、卵、コーヒー、米、肉といった食品だ。

 これらは人がスーパーを訪れる理由である。これを別々の場所に配置することで、顧客が店内を隅から隅まで見て回るよう仕向けることができる。

 高価なチーズやビタミンサプリなど、普段は買い物リストに載らないものでも、店内を見て回っている間にうっかり買ってしまうことだろう。


3. 模擬スーパーマーケット


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 ここまで読んで、「一体スーパーはこうしたデータをどこで入手したのだろうか?」と感じなかっただろうか?

 実はユニリーバ、ペプシ、コカコーラといった大手消費財メーカーは”模擬"スーパーマーケットにカメラを仕込んで、顧客の購買行動を観察しているのだ。

 そうした企業は陳列棚に自社の製品と他社の製品を並べ、顧客の行動をカメラに記録し、自社製品ではなく他社製品が選ばれた理由などを分析する。またオンラインショップでのデータ収集もよく使われる。

 こうしたデータに基づき、売り上げを最大化するにはどの棚にどの製品を陳列するべきかモデル化する。

 これを業界用語でプラノグラム(棚割り表)という。そして、これに従ってスーパーマーケットやドラッグストアなどの棚スペースを購入するのだ。


2 ミルクはいかが?


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 非常に有名な戦略だ。スーパーは顧客が店内全体を移動するように牛乳を一番奥に置く。これは本当の話なのだが、実はもう1つ理由がある。それは牛乳をすぐに冷蔵しなければいけないことだ。

 そこで店の搬入口に最も近い販売スペースの奥に置くことで、牛乳をすぐに冷やせるようにする。スーパーで一番売れる商品の1つである牛乳を奥に置いておけば、顧客が奥まで入って買い物をしてくれるので一石二鳥というわけだ。


1. 新鮮さの演出


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 顧客が野菜と果物に最も求める品質は新鮮さだ。残念ながら、工業化された農業のために、青果の鮮度は理想的なものではない場合が多い。そこでスーパーは実際の鮮度よりも新鮮に見せるテクニックを駆使することになる。

 例えば、野菜に霧吹きを使うという方法がある。野菜に滴る水滴は脳にとって新鮮さと純粋さのシンボルなのである。

 またバナナ農家は黄色が完熟と新鮮さのシンボルであることを突き止めた。それにぴったりな色がパントンカラー12-0752(バターカップという)で、この色から人は完璧なバナナを連想する。

 実はその色が1段階明るくなっただけで品質が劣るという印象を与える。ゆえに農家は正確なバターカップイエローの再現に努めている。あなたに新鮮だと思わせるためだ。

via:10 Grocery Store Tricks to Get You to Buy More/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 14:40
  • ID:43TX05Wo0 #

実に良く調べられた良い記事だ、久々にこんなすばらしい記事に出会ったよ、ライターさんGJ!

2

2. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 14:50
  • ID:dAm31XSV0 #

影響を受けるかも知れないが、よくよく考えたら要らぬ物は買わないな。

3

3. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 14:55
  • ID:Mhpb0Kxw0 #

一人暮らしを始めて、スーパーなどに行くことが増えた自分には納得する事ばかりだ。
どのスーパーも商品を買ってもらう為に色々研究してるんだな。

4

4. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 14:55
  • ID:2RHAnhCS0 #

コメ1に同意。勉強になった!

5

5. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 14:56
  • ID:8JxNV.rk0 #

日本のスーパーも少なくとも20年くらい前からこの記事でやってる事は環境が許す限り全部やってますよ。
カルフールを業務モデルにする会社が多かった時期ですね。

6

6. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:27
  • ID:TovOkkh.0 #

試食のグラフでビールが逆に100%を割ってるのが面白い
すすめられると買いたくなくなる心理でも起こるのかな?ビールだと

7

7. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:38
  • ID:I4PBvGxf0 #

入り口にパンある率ってこっちだとほとんどなく
帰りにあるのがほとんど
しかも寿司とか総菜もあるので、ついでに買っちゃおー
という購買力わいてくる
店の大きさや販売する商品でも変わるのかもね

8

8. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:50
  • ID:.FXJLhhp0 #

理論的にはわかるんだけど、こういう施策は短期的な売上げ増にしかならないし、それは利益の先食いでしかない。

長期的には顧客に無駄な動き、無駄な買い物をさせることで、買い物疲れを引き起こし、次第に極力お店には行かないで済むようにする生活スタイルへと変えてしまう。

本来なら毎日でもお店に来てもらった方が良いのになぜ顧客は買いだめをするのか。本来なら目の前で見て選び買った方が確実なのになぜネット通販がここまで盛んになったのか。小売業は、こうして自分達がしてきたことが本当は顧客のためではないという事実を省みないと、このまま縮小傾向は終わらない。

9

9. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:52
  • ID:e8BFcr8v0 #

※6
確かに興味深い。ビールは風呂上りに飲むと最高にうまいが、スーパーの紙コップで飲むと「さほどうまくもないな。今日はやめとこ」となるのかな。

10

10. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:53
  • ID:b4fNM1uN0 #

※6
自分はビールは飲まない酒のみだけど、ビール好きは
各々好みのメーカーがはっきりしていて、飲み屋でも贔屓のメーカーじゃなかったらいらないって人も居たりする
だから勧められて試飲→やっぱりいつもの方がいいとなる人が多そうかなと思う。

11

11. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:57
  • ID:J.9NK0os0 #

パンとりんごはついつい買ってしまう
せめてパンは我慢したい

12

12. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 15:59
  • ID:yPjpyEYm0 #

スーパーのネット通販にしたら体重が一月で3キロも落ちた、って人が知り合いに居るので真実ですねこれは。
大手スーパーが通販式をやらないのも納得できる(笑)

13

13. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 16:08
  • ID:vZkA4fiR0 #

買い物に行くときはあめ玉を舐めながら行くといい
空腹時に買い物に行くと、余計な物まで買ってしまう
とはいえ、買い物に行くのは基本的にお腹のすく頃だから
余計な物まで買わないように飴を舐めるといいとお婆ちゃんに教わった

14

14. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 16:10
  • ID:dZ866TcW0 #

入店前に買うものを決めておく。たまに出てる新商品はあれだが、それ以外は絶対に買わないと心に誓う。それで何とかなる。というより、何とかしないと財布が悲鳴を上げる。

15

15. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 16:22
  • ID:33Wx7wXg0 #

※6
70%増だから、170%になるってことだよ

16

16. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 16:34
  • ID:c.0volTC0 #

100均ショップでも手に取るもの全て買っちゃうわ
スーパーより購買意欲かきたてられるわー

17

17. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 16:46
  • ID:.F29i5a60 #

生鮮品のLEDとか蛍光灯の色が黄色系は嫌いだわ
家に帰ってあれっってことがたまにある

18

18. 匿名処理班

  • 2017年06月17日 17:22
  • ID:Hw2.Wk7r0 #

今度大手コンビニがレイアウトを大規模に変更するらしい。ぱっと見て使いにくそうで「なんでやねん」って思うレイアウトなんだけれども、やっぱり行動解析した結果なんだろうなぁ。多分、万引きとかは考慮してない感じたけれど。

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