ロンドン火災 不明60人超の可能性 地元メディア

ロンドン火災 不明60人超の可能性 地元メディア
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イギリス・ロンドンの高層住宅で起きた火災で、地元の複数のメディアは行方不明者の数が60人を超えている可能性があると伝えているほか、警察も「犠牲者が100人を超えないことを祈る」と述べていて、今後、犠牲者の数は大幅に増える見通しです。
ロンドン西部の24階建ての高層住宅で14日発生した火災はわずかな時間で建物全体に燃え広がり、警察などによりますと、これまでに17人の死亡が確認されました。

イギリスの警察と消防は現場の捜索を進めていますが、上層階は危険な状況が続いているとして捜索活動は数週間かかるという見通しを示しています。

今回の火災では上層階を中心に多くの人が取り残されたという情報があり、地元の複数のメディアは、行方がわからなくなっている人の数が60人を超えている可能性があると伝えています。

また警察も「犠牲者の数が100人を超えないことを祈る」と述べていて、今後、犠牲者の数は大幅に増える見通しです。

一方、火が短時間で建物全体に広がった原因について、専門家からは、建物の外壁が可燃性の断熱材によって覆われていたためだという指摘が出ています。

メイ首相は原因の究明に向け裁判官などによる独立の調査チームを立ち上げて徹底した調査を行う考えを示していて、地元のメディアは住宅の管理会社や改修工事を行った会社を対象にした公聴会が開かれる可能性もあると伝えています。

古い高層住宅の住民に不安広がる

今回の火災を受け、ロンドンの古い高層住宅に住んでいる人たちの間で建物の安全性に不安が広がっています。

クルド系移民のソラン・カリミさんは、現場からほど近い20階建ての高層住宅に住んでいます。カリミさんの住宅は、火災のあった建物と同じ1970年代に建てられ、カリミさんら住民が火災報知器が設置されていないなど安全対策が不十分だとして、地元自治体に何度も改善を求めたものの、対策はいっこうに講じられないと訴えています。

この地区は高級住宅街に隣接していますが、自分たちのような移民や低所得層のための予算は削減される一方だと不満をあらわにしていました。

カリミさんの住宅を管理しているのは火災が起きた住宅と同じ自治体の系列組織だということです。今回の火災で高層住宅に住んでいた友人の家族の行方が今もわかっておらず、自宅のある建物の安全性への不安は膨らむばかりだと話していました。