知覧哲郎
2017年6月17日03時00分
人吉市議会で「観光列車に手を振る条例」の制定を求める動きが出ている。JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」が来年3月から肥薩線を走り始めるのを追い風に、9月定例会での議員提案をめざしている。
条例化を訴えているのは豊永貞夫議員。3月定例会の一般質問で、福島県と新潟県にまたがる只見線沿線6市町村の条例化の例を紹介し、「住民が誰でもできる観光客への最高のおもてなしになる」とアピール。条例の制定を提案した。
3月には観光列車「SL人吉」が今年の運行を始め、肥薩線・熊本―人吉間に新しい観光特急「かわせみ やませみ」がデビュー。新観光列車に試乗した松岡隼人市長は「心に一番響いたのは沿線の方々の笑顔で手を振る姿。肥薩線の一番の魅力だと再認識した」と答弁した。しかし、条例化検討に向けた市側の具体的な動きはなかった。
ところが、JR九州が5月29日、ななつ星のコース変更を発表。初めて日中の肥薩線を走ることになり、6月定例会でも話題に。豊永議員も「市にとってこの上ない好条件がさらにそろう」と歓迎し、同僚議員に賛同を呼びかけるという。
只見線では2015年、新潟県魚沼市などが「通勤通学時や農作業中、散歩時などあらゆる場面で只見線に手を振るよう努める」と定めた条例を可決。同線は11年7月の豪雨災害で一部が不通のまま。乗客をもてなし、住民の愛着を深めることで路線の利用を促し、全線復旧をめざす目的という。(知覧哲郎)
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