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 中国江蘇省徐州市豊県の幼稚園前で15日午後4時50分(日本時間同5時50分)ごろ、大きな爆発があった。国営新華社通信によると、16日夜までに8人が死亡、重傷者8人を含む65人がけがをした。同省公安庁などは16日、近くに住む22歳の男が手製の爆発物を用いて自爆死した事件だと発表した。

 会見した同省公安幹部や徐州市長によると、男は同市内出身で自律神経障害のため学校を休学後、事件現場の近くに住みアルバイトをしていた。自宅から爆発物をつくる材料が見つかったという。公安当局は現場周辺の聞き取りや監視カメラ、遺留物のDNA鑑定などから男の犯行であると断定したという。

 動機は明らかになっていない。幼稚園は授業が終わる直前で多くの保護者が園児を迎えるため門前に来ており、狙われた可能性がある。負傷して病院に運ばれた女性は、中国国営中央テレビの取材に「ちょうど幼稚園の門が開き子供を待っていたら、近くで爆発音が聞こえた。気がついたら救急車が来ていた」と話した。

 豊県政府は中国版ツイッター「微博」で、「教師や園児にけが人はいなかった」と強調した。中国教育省は16日に緊急通知を出し、全国の小中学校や幼稚園周辺の安全対策を強化するよう指示した。

 発生直後はインターネット上に「屋台のガスボンベが爆発した」との目撃情報が流れるなど、情報が交錯した。地元警察当局はデマを流さないよう呼びかけるなど情報統制を敷いた。(上海=冨名腰隆)

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