英シティ大学は「デジタル世代の意思決定」についての研究を行い、スマートフォン利用時には論理的な判断を下す傾向があるとの研究結果を発表しました。研究はよく用いられる「トロッコ問題」で道徳に関するジレンマについての判断が測定されています。
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トロッコ問題
用意されたトロッコ問題は典型例のバリエーションとして「歩道橋から太った男性を突き落とせば、トロッコは止まり線路の先にいた5人が救われる」というもの。太った男性を突き落とすのは自分自身のため、突き落とすことを避ける傾向のある問題です。
果たして実験結果は?
実験では、「太った男性を突き落とす」という決断(功利的な決断)をとった被験者の割合は、パソコンを用いた場合は22.3%であったのに対し、スマートフォンを使った場合は33.5%とより多くの被験者が功利的な判断を取ることが判明しました。
スマホを使うと判断が変わる?
研究の中では、他のジレンマ問題についても実験されましたが、同様の結果となりました。研究の結論としては「同じ状況について意思決定を行う場合でも、使用するデバイスによって下す判断が異なってくる可能性がある」とのことでした。
まだこの問題についてはあまり研究がされていないため、一般的に言えることなのかどうかはわからないところです。しかし、筆者の個人的な感覚としては、そう言えるような感覚があります。紙で文章を読むのとディスプレイで文章を読むのでは違いがあることがわかっているように、デバイスによって違いがあっても不思議ではないと思われます。