【シリコンバレー=中西豊紀】米アマゾン・ドット・コムは16日、米高級スーパーのホールフーズ・マーケットを137億ドル(約1兆5000億円)で買収すると発表した。実店舗チェーンを傘下に収めることで、ネット販売にとどまらない巨大な小売業が誕生する。アマゾンの流通事業は「ネットとリアル」が融合した次の段階に入る。
ホールフーズの株式を1株あたり42ドルで買い取る。2017年下半期中に買収手続きを終える計画だ。アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は同日「ホールフーズは最高の有機食品でお客を満足させてきた。彼らは(今後)同様に仕事を続けていく」とのコメントを発表した。
ホールフーズは1978年に米テキサス州オースティンで創業した高級スーパー。安全にこだわった生鮮品で中高所得者層に人気がある。米国のほかカナダや英国にも店舗網を広げ、現在は460店超を運営している。2016年9月期の売上高は約157億ドル。買収後もジョン・マッキー最高経営責任者(CEO)は会社にとどまり、ブランドも残す。