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 通常国会が16日、事実上閉会した。与党は強引な国会運営で世論の賛否が割れる「共謀罪」法を会期内に成立させた一方、安倍晋三首相の関与が疑われた「加計学園」と「森友学園」の問題では疑問に正面から向き合おうとしなかった。政権・与党の強権を前に、野党は有効打を見せられなかった。

 「予算、テロ準備、陛下の退位法案、区割り法案、最後に刑法も含め今国会で通したい法律を全て通せた」。自民党の竹下亘国会対策委員長は16日、150日間の会期を振り返った。

 予算案や法案の審議では終始、与党ペースだった。衆参両院で約3分の2を占める圧倒的な「数の力」を背に、審議、採決の日程などを決める際に委員長が「職権」を乱発。抵抗する野党をねじ伏せた。

 とりわけ「共謀罪」法案の審議では、答弁が不安定な金田勝年法相に代わり、官僚を委員会に常時出席させることを自民、公明両党の委員長が職権で決定。「政治主導」を目指して1990年代後半に確立した国会改革の枠組みを壊した。党首討論も通常国会で初めて一度も開かなかった。

 一方、首相の妻昭恵氏が関連の…

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