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Beautiful Sky∼せんせいあのね∼

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Beautiful Sky

せんせいあのね∼アフリカ大陸ジンバブエでの活動記録∼

きっとあなたは知らない。今アフリカで起こっているもう一つの問題。

Masikati!(こんにちは)

ジンバブエ在住のおーかです(´・ω・`)

 

今回は、私がここジンバブエに来るまで想像すらしなかったジンバブエの問題について。皆さんは知っているでしょうか…?

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目次

あの時ジンバブエで起こったこと

1980年にイギリスから独立を果たしたジンバブエ

その後、1987年から今現在にわたるまで大統領を務めているのが「ロバート・ムガベ」さん、93歳。30年間も大統領の座を守り続け、悪く言うと独裁政権を続けてきた、世界で最も高齢な大統領。

 

ジンバブエと聞いて、思い浮かぶのはきっと、日本人でも知っている人も少なくない、2008年に起きたハイパーインフレーション。お店からは商品が消え、極度の物不足でパン一つ買うにも長蛇の列。最終的には100兆ジンバブエドルが発行されるまでになった。そんな歴史的な出来事。

 

でも今回お話ししたいのは実はハイパーインフレーションの話ではなく、それより少し前のお話し。

 

それが2000年にとられた、白人が持つ土地を強制的に取り上げ、黒人に分け与えるという政策。白人じゃなくて黒人の手で国を作っていこうとしたんです。しかも法律でそう取り決めてしまったんですね。

その当時農業をしていた白人は、土地はもちろん、機会も、家畜も、その当時持っていた農業関係のものはすべて政府に持っていかれてしまったんです。もちろん、手当などのお金は一切なしで。

農業をする際に、きちんと政府にお金を払って土地を買って農業をしていたのにもかかわらず、いきなりすべて持っていかれてしまったんです。

 

アフリカで困っているのは黒人だけじゃない。

アフリカで「貧困」という問題がよく上がってきますし、そのイメージとして思い浮かぶのが「黒人」の現地の人々。

 

しかし、ジンバブエでは上でお話しした政策によって「白人」の貧困が静かに問題になっています。静かに、といったのは、私がこの問題についてニュースで見たり、この問題に対しての対策についてあまり耳にしたことがないから。そして、私の目の前に、いまこの問題があるから、私の中で、静かに問題になっています…。ということ。

勝手に白人は裕福だ、という概念が私の中にあったからかもしれませんが、、、

 

農地を取られ、急に、そして一気に財産を失い、国外へ逃げようと思っても、何世代も前からジンバブエに住んでいた彼らは「ジンバブエ人」。国籍が「ジンバブエ」である彼らは逃げようがない。

そもそも白人を追い出したくてとった政策のため、農地を受け渡した後に生活の保護をしてくれるような政府ではないし、行き場を失った白人。

 

その人たちが今、仕事がなかったり、住む家がなかったり、明日食べるものがない、といった状況の中で生活しているんです。40歳とか50歳とかになって、いきなりそんな生活が始まってしまったんです。

 

明日食べるものがない?住む家がない?大げさでしょ。白人でしょ?

と思うかもしれません。

 

でも、大げさでも何でもない。まぎれもない事実です。私はジンバブエでその光景を、目の当たりにしたんです。

 

黒人の意見と白人の意見

この問題について、いろんな意見があります。正直、黒人、白人、と分けて話をするのは嫌なのですが、どちらもジンバブエ人なのでそんな風に言わせてください、、、。

白人は黒人にひどい扱いをしてきた。だから当然だ。そもそもジンバブエを植民地にしていたのは白人で、もともとジンバブエは黒人のものだったんだ。

 

というような意見もあれば、

 

白人が農業を仕切ってきたおかげで、アフリカの穀物庫と呼ばれるほど、豊かな国だった。白人を追い出したせいで、農業は衰退し、モノがなくなり、経済も急下降してしまった。

 

なんて意見もあって、もう人によってさまざまなんですね。

私は、白人のジンバブエ人たちが黒人のジンバブエ人とこれまでどのように関わってきたか実際に目で見ていないので、事実はわからないし、黒人のジンバブエ人が、ジンバブエを自分たちのものだと言いたい気持ちもわかる。でも今ここにいる白人のジンバブエ人が同じ「ジンバブエ人」なのにジンバブエ内でのけ者にされるのを見ているのはつらいんです。

 

ジンバブエに暮らして1年経ちますが、農業関係についていた白人や黒人のジンバブエ人や、そのほかのいろんな人から意見を聞いて、板挟みというか、もう何とも言えない気持ちになっている最近です。

 

白人を助けたいと思うのは差別なんだろうか?

このように、農地を取られ、貧しい生活をしている白人もいますが、もちろん、この国には常に貧しい生活をしている黒人の現地人だっているわけです。

 

 私が「貧しい生活をしている白人」を助けたい、と思うのは、差別をしているんでしょうか。

 

私がたまにそんな風な白人のジンバブエ人のおじちゃんと仲良くしていると、黒人のジンバブエ人から「サオリはあの人たちが白人だから仲良くしているんだ」と、言われたことがあります。

 

白人だから、なのでしょうか。

 

確かに、農業をしていた白人のおじちゃんたちとは、ちょっとだけ感覚も似ていて、ジンバブエの問題点や、いい点を第三者的な目で見て話し合えるので、話安いところがあったりもします。でも、それだけじゃない。困っているときに助けてくれたり、アドバイスをくれたり、本当に、仲のいい友達なんです。

白人だけじゃない。私には黒人のジンバブエ人で仲のいい友達だっている。一緒にご飯を食べたり、何時間も座って話をして、ケラケラ笑ったり、家がなくなったときに一緒に雨の中外に座って話をしたり。

 

私が「白人のおじちゃんたちを助けたい」と思うのは、「肌の色」ではないと思うんです。でも、黒人のジンバブエ人に「白人だからだ」と言われたときには、私は肌の色で分けているのかな。と、考えさせられました。はたから見たらそう見えているんだな。と。

 

おわりに

白人の貧困化を目の当たりにして、今までそんなに考えたことがなかった肌の色についてや、ジンバブエの過去に目を向けることができているわけですが、私に何ができるんだろうと、心のもやもやは消えません。

 

私が見た、感じた世界を、ここで共有させて下さい。

 

補足

こんな風に書きましたが、もちろんのこと、ジンバブエにはリッチな白人のジンバブエ人もいますし、仲のいい黒人と白人だっています。

 

ジンバブエに移り住んで3世代目までは欧州の国籍を持ったままジンバブエに住めるそうですが、4世代目からはジンバブエ国籍になるそう…。

なので、農地を取られた時点で、イギリスに帰った白人もいれば、オーストラリアやニュージーランドへ移った白人も多いとか。

 

今回お話ししたのは、私が暮らしている範囲で見たジンバブエのお話しです。

 

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