お互いがほとんど初めての恋人で、高校・大学にかけて4年間付き合った。
貯金も仕事も車もない学生時代にたくさんの思い出を作ったかけがえのない人だったし、
大学で下宿を始めてからはすっかりヒモになって精神的にも経済的にも消耗させられたどうしようもない人だった。
どちらも本当のことで、彼と付き合った事実は「良い思い出」であり「時間とお金の無駄」だった。
彼とは最後の1ヶ月間で急速に(?)連絡がつかなくなり、1度も顔を合わせない日がどんどん増えて、
それでも無理に誘い出して一緒に出かけても露骨につまんなそうで帰りがけに自分の趣味の場へ足早に直行され、
前までなら自然に一緒に過ごしていた場面で私のことを避けていると確信した日があり、
別れたいという気持ちを伝える労力すら惜しまれていると悟ったので私から話を切り出したら、
「好きなことをしている時間が長くなって、もうあなたに興味がなくなった」と言われ、別れに至った。
私は趣味と同じ秤にかけられて切り捨てられたのか、と悲しくて仕方なかったけど、
引き止めても無駄なことは明白だったので「わかりました」の一言で縁を切った。それきりだった。
彼が新しい恋人から逆プロポーズを受け、入籍を控えていると共通の友人から聞いたときは「なんで?」と思ってしまった。
なんで結婚しようと思えたんだろう?
その恋人のことが心配だった。そいつ、あなたに対しては一生誠実でいてくれるんですか?いきなり興味を失って離婚を切り出してきませんか?
生活能力皆無だったし、他人の家に入り浸るくせに実家同然の暮らしを求めて憚らなかったけど、一緒に家庭を運営してくれそうなんですか?
たとえば両親の介護が必要になったときも、協力して取り組んでくれるんですか?
私は幸い、彼と別れてからそう経たないうちに、とても信頼できる相手に出会えたから結婚したけど、結婚生活は「面白くも素敵でもない時間」との対峙の方が圧倒的に長い。そういう時間を一緒に過ごせるかどうかの方がきっと大切で、「好きなことをしている時間」ばかり優先していたら立ち行かないのだ。
たかだか数年でそんな生活を選択できるようになるほど人格が変わるものなのか?
無関心になりきれない。
だって私は知っているのだ。彼の死ぬほど嫌な部分を。彼にされたことを覚えている。
彼の周囲の人間がどれだけ彼の結婚を祝福し、慕っていようと、私には彼と顔を合わせたら突き刺してやりたい言葉がたくさんある。
彼の妻になる人は今それを知らない。
私にとっての事実は過去のもので、彼女がこれからも幸せに結婚生活を送れるのならいいけれど、
私の想像どおり彼の根本的な人格が変わっていないのだとしたら、これから知ってしまうことになる。
けど私にはもう関係のないことだし、これについて感情を動かす道理だってない。今こうやって言及してるのもすごく嫌だ。
こういう類の感情に支配されて実際に相手に連絡を取っちゃったりしてないだけマシだとは思うけど、そもそも考えないようにすればいいのに全然コントロールできていない。
私が彼から見えない場所で「私はお前をクズだと思っている」という事実を取り下げずにいても彼の生活はびくともしないのに、いつまでたっても陰湿で攻撃的な気持ちが無くならないし、「私の結婚は幸せだがお前の結婚はお前が原因で破綻する、クソ」と無意味に踏みつけ続けている自分がいる。
彼から共通の友人を通じて「遅くなったけど結婚おめでとう、僕ももうすぐ結婚します」という伝言があったとき、うっかりその友人に上のようなことをグチグチ言ってしまい、不要に彼の悪口を漏らす形になって最悪だった。
私と彼のどちらかが共通のコミュニティを去らないかぎり一生こういう状態が続くのかと思うといやになるし、接点がなくなったとしても彼のことを憎む気持ち自体は当分なくならないんだろうなと思う。
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