中国の国旗や国章など、中国に関連するものの中で1つの大きな星と4つの小さな星があります。大きな星は中国共産党で、4つの小さな星はそれぞれ労働者・農民・知識階級・愛国資産家を表します。
しかし、ある説では、大きな星は中国本土で、4つの小さな星はそれぞれ満洲・内モンゴル・新疆(ウイグル)・チベットを表す場合がありますが、そのようなことは絶対にありません。そもそも、単一民族国家の日本とは全く違い、中国は56の民族(満洲族・モンゴル族・ウイグル族・チベット族も含む)が暮らす多民族国家ですから、「中国本土」という言葉自体がよろしくありません。中国本土は主に漢族が多く暮らす地域とされていますが、中国は漢族国家ではありません。
1949年6月16日の全国人民政治協商会議で、中華人民共和国の国旗を制定することが決定され、色んなデザイン案がありました。そのデザイン案は赤地に1つの大きな星(中国共産党あるいは中国人民)を表すと、黄河・長江・珠江を象徴する水平線を黄色で描いたものでありましたが、水平線によって赤地が分断されてしまい国家分裂のように見えたり、また、大きな星の下に小さな星が4つ縦に並ぶデザインもありましたが、小さな星に上下があるのは妥当ではないとして選ばなかったのです。
もし、大きな星が中国本土で、4つの小さな星がそれぞれ満洲・モンゴル・ウイグル・チベットを表す国旗だったら、絶対に選ばなかったでしょう。
大きな星が中国共産党で、4つの小さな星がそれぞれ労働者・農民・知識階級・愛国資産家を表し、さらに、小さな星それぞれの頂点のうち1つは大きな星の中心に向いており、これは人民が1つの中心の下に団結することを象徴しているから、現在の中国が使用している国旗が選ばれたのです。