千葉「加曽利貝塚」国の特別史跡に 貝塚では初

千葉「加曽利貝塚」国の特別史跡に 貝塚では初
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縄文時代の集落を伴う国内最大級の貝塚、千葉市の「加曽利貝塚」が貝塚としては初めて国の特別史跡に指定されることになりました。
これは16日に開かれた国の文化審議会で松野文部科学大臣に答申されました。

千葉市若葉区にある加曽利貝塚は、今から5000年前から3000年前の縄文時代の中期から後期にかけて人が食べたあとの貝殻が積もってできた2つの貝塚からなります。

貝塚からは竪穴住居や墓の跡も見つかっていて、集落を伴う貝塚としては国内最大級です。さらに土器や動物の骨なども数多く見つかっていて、中でも丁寧に埋葬された犬の骨からは当時の人と犬の親密な関係性がわかるということです。

加曽利貝塚では明治時代から発掘調査などの研究が続けられてきました。昭和30年代後半、宅地造成の計画をきっかけに市民らが行った保存運動は日本の埋蔵文化財保護の歴史を代表する活動と文化審議会は評価しています。

正式な指定は秋ごろになる見込みで、特別史跡の指定は青森市の三内丸山遺跡などが指定された平成12年以来17年ぶり、貝塚としては初めてとなります。

市長「日本の誇りになった」

これについて千葉市の熊谷俊人市長は記者団に対し「市民の皆さんとともにオール千葉市で指定に向けた活動をしてきたので、それが実って先人が残してくれた千葉市の誇りが日本の誇りになったことを大変うれしく思う」と述べました。その上で「特別史跡の指定を契機に発掘を進めることで縄文時代のイメージを変える新たな発見が出てくると思うので、首都圏の発掘の拠点として貢献していきたい。縄文時代を楽しく体験できる学習観光施設として魅力を高めていきたい」と述べました。