IS指導者を空爆で殺害か ロシアメディア

IS指導者を空爆で殺害か ロシアメディア
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ロシアのメディアによりますと、過激派組織IS=イスラミックステートの指導者のバグダディ容疑者が先月下旬、ロシア軍がシリア北部のラッカ付近で行った空爆で殺害された情報があるということで、ロシア国防省が確認を進めていると伝えています。
ロシアのメディアによりますと、空爆はロシア軍が先月28日午前0時半ごろ、ラッカ付近で行ったもので、これにより、およそ30人のISの幹部などが死亡し、このなかにバグダディ容疑者が含まれているという情報があるということです。

当時、バグダディ容疑者はほかのメンバーと会議を開いていたということです。アメリカ軍などの発表はまだありませんが、バグダディ容疑者が殺害されたとすれば、弱体化が進むISにとって大きな打撃となります。

米軍拘束で過激思想の影響受けたか

過激派組織IS=イスラミックステートの指導者、バグダディ容疑者は1971年にイラクの首都バクダッドの北部で生まれたとされ、バグダッドの大学で学びました。

2003年に始まったイラク戦争のあとアメリカ軍に拘束され、収容されたイラク南部の施設内でイスラム過激派の思想の影響を受けたとされています。

その後、国際テロ組織アルカイダ系の組織に所属し、当時の指導者だったザルカウィ氏がアメリカ軍に殺害されたあと過激派組織を率いるようになり、2014年6月にはイラクとシリアにまたがる地域で一方的に「イスラム国家」を樹立したと宣言しました。

バグダディ容疑者をめぐっては、これまでにもアメリカ軍などの空爆により大けがをしたという情報が流れたことがありますが、ISは本人のものだとする音声を発表し情報を否定していました。

去年11月にはイラク軍などがイラクのISの最大の拠点であるモスルの奪還作戦を進めていることにバグダディ容疑者が徹底抗戦を呼びかけたと伝えられましたが、その後ISは本人の声明や所在などを伝えていません。

欧米メディア “確認できていない”

ロイター通信によりますと、アメリカ主導の有志連合はISの指導者のバグダディ容疑者が空爆で殺害された可能性があるというロシア側の発表を確認できていないということです。

またアメリカのCNNテレビはロシア政府の情報として、バクダディ容疑者が殺害された可能性があると報じました。一方でバクダディ容疑者が死亡したという情報は過去にも伝えられたことがあり、その真偽は確認できていないと伝えています。