パソコンに保存されているデータを読めなくして復旧費用などの名目で金銭を要求する「ランサムウエア」(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃が今年5月、世界各地で同時多発的に発生。過去にない規模だったこともあり、企業などの防衛意識は一気に高まった。しかし、サイバー攻撃の手口は巧妙化する一方で、対策コスト増に悩まされている。(板東和正)
5月に世界中で猛威をふるったランサムウエア(トレンドマイクロ提供)
「もし備えがなかったら……と思うとぞっとする」。ランサムウエアの被害に遭ったある中小企業の男性幹部は打ち明ける。
昨年11月のことだ。社内のパソコンに、業務に関係ありそうなタイトルのメールが入っていたので添付ファイルを何の疑いもなく開封した。すると操作ができなくなった。あわててインターネット接続を切断したものの、ウイルスは即座に“活動”を開始した。
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