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【社会】

「加計文書」一転「存在」 「総理意向」など14点 文科省再調査

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画で、内閣府が文部科学省に早期新設を働き掛けたとされる文書など計十九点の存否を再調査していた文科省は十五日、「総理のご意向」と書かれた文書など計十四点の存在を確認したと発表した。ただ、安倍首相の意向が実際にあったのかどうかなど文書内容そのものの真偽については確認を避け、真相究明に及び腰の姿勢は変わらなかった。

 調査結果を受けて山本幸三地方創生担当相は同日、特区を担当する内閣府も再調査し、十六日に結果を公表する考えを示した。

 当初の調査は、担当の専門教育課などの計七人から話を聞くなどして「存在を確認できなかった」と結論づけた。今回は対象を四部署など計二十六人に広げ、個人パソコンのフォルダーを調べるなどした結果、確認につながった。調査のずさんさについて松野博一文科相は会見で「大変申し訳ない」と謝罪。一方で学部新設計画の手続き自体に問題はないとの考えを示した。

 再調査対象は、獣医学部設置を巡り「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと書かれた文書など十九点。存在した十四点のうち八点は、前回調査したフォルダーとは別のフォルダーに、内容が同一か同趣旨の文書があるのが確認された。「総理のご意向」との文言が入った文書を作成した課長補佐は「こうした趣旨の発言があったのだと思う。ただし真意はわからない」と話しているという。

 存在が確認できなかったのは、萩生田光一官房副長官の発言内容などを記したとされる二点。残る三点は内容が加計学園側の利益に関わるとして、存否を含めて明らかにしなかった。

 

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