日本人が苦手とされる英語の「L」と「R」の聞き分け能力を、装置を使って向上させる手法を開発したと15日、情報通信研究機構や大阪大などの研究チームが発表した。この装置を使ったトレーニングを5日間続けると、それまで苦手だった人もリスニング力がアップするという。
研究チームは、海外での居住経験がない20~30代の日本人男女8人について、効果を調べる実験を行った。被験者は、頭部に脳波計を装着し、イヤホンから繰り返しランダムに流れる「light(光)」と「right(右)」の音を聞く。そして、目の前のモニター画面を眺める。
モニター画面には、緑色の円が映し出される。被験者がLとRの違いを感じたときに脳の特定の部位で活動が高まり、それに連動して緑色の円も大きく表示される仕組みだ。しかし、被験者にはこの仕組みは伝えず、単に緑色の円を大きくするようにイメージをしてもらった。1日1時間の訓練を5日間続けたところ、平均で6割だった正答率が、5日後には9割近くまで上がった。
脳の活動パターンを検出し、その情報を本人にフィードバックすることで、音の違いに対する脳活動が強化されたと考えられるという。本人は音を聞き分ける学習をしているつもりがなくても、無意識のうちにリスニング力が高まるのが特徴だ。今後、学習効果がどのくらいの期間続くのか調べたいという。
研究チームは「将来は日本人の苦手な様々な発音を効率よく学習できるシステムとして実用化したい」としている。
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