週刊少年チャンピオン 板垣恵介 刃牙道161話 「拳豪 VS 剣豪」
先々週の刃牙道で宮本武蔵と対峙した花山薫が大きく振りかぶって第一撃のパンチを放ち、先週それが武蔵の顔面にヒットして、その続きです。
今週はまず時系列で言えば先々週のあたりまで時間が巻き戻りました。
そして花山の第一撃が武蔵にヒットするまでの一瞬を8ページかけてスローモーションで描きます。
そのあと武蔵が吹っ飛んでダウンするまでに6ページ。
今週はまとめるとそんな感じでした。
なんていうか、加速しなさが加速してます!
刃牙道は物語がどんどん加速しなくなっていってます。
長期連載漫画というものは、それとどうしても切っても切れない「引き伸ばし」という問題があります。
例えば物語の本筋とは関係ない事件が発生してしばらくその事件編が続き、それが終わったらまた別の関係ない事件編と繰り返され本筋はほんの少しずつしか前進させないようにするパターンがあります。
刃牙道はそういう引き伸ばしとはちょっと違います。
時間にしたら数秒の動作をゆーっくりゆーっくり、時には時間を巻き戻して、いかにそのシーンだけでページ数をどれだけ稼ぐかに全力を尽くされています。
よく使われるテクニックが「心象風景」です。
ある一瞬のシーンにキャラクターが何を思ったか何を見たかをページを費やして描きます。
今は武蔵には花山が白くて眩しく見えるという心象風景をゆっくりと描いています。
それとバキシリーズでここ近年になって急激に増えたのがコピペです。
絵をコピーして何コマも繰り返し使ってます。
今週もコピペ満載でした。
眩しさに立ち尽くす武蔵の姿に4コマ2ページと2コマ1ページ。
倒れてる武蔵に2コマ半ページ。
あと、ページごとのコマの数も他作品より少なめですね。
多くて5コマ。
1コマをできるだけ大きく、そしてできるだけコピーを使うようにページ構成されています。
同じような絵が2コマ並んでるのを見たときとかは、つい「これはコピーかな?」と確認したくなります。
(これはコピー?)
で、私はこういうのダメだとかやめろとかは全く思っていません。
刃牙道は作者がいかに引き伸ばしてコピペを使ってるかを見る漫画なのだと最近気づきました。
それ自体が見世物となっているのです。
バキシリーズは前シリーズ範馬刃牙で一度完結した作品です。
作者板垣恵介はその後漫画ゴラクで謝男(シャーマン)を連載しましたがそれを未完のままで、バキ新シリーズを再開させました。
なぜそうしたのかは一読者に過ぎない私にはもちろんわかりません。
アシスタント(社員)を養って自分のスタジオ(会社)を存続させることのほうが目的となり完結した作品を無理に続けている…というのも根拠なき推測に過ぎません。