[PR]

 丈夫で軽い金属のチタンが、寺社の「屋根瓦」として注目されている。地震など災害時の安全性が高いことから、東京・浅草寺は昨年5月からの改修工事にあわせ、五重塔の約5万7千枚の瓦をチタンに取りかえた。従来のアルミ製の瓦に比べ、チタン製を使うと単純計算で倍近く高い。しかしチタンはさびないため、維持管理費のコスト削減につながるという。

 浅草寺では本堂、宝蔵門に次いで3棟目の採用となる。守山雄順執事長は13日の記者会見で「金額は相当高いが、安全性などを考えてチタンに決めた」と話した。チタンは新日鉄住金製。施工業者のカナメ(宇都宮市)によると、これまで施工した寺社約4千件のうち約110件でチタン瓦が使われているという。

 チタンは航空機や発電所の施設などでの利用が主だったが、新日鉄住金は寺社や灯台などへ利用を広げようとしている。(野口陽)