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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

232/232

231.病み上がりのキス

くじ引き五巻発売中、よろしくお願いいたします。
挿絵(By みてみん)
「オルティアがそれを使うにはどうすればいい。まさかお前を持たせるわけにも――って」

 エレノアに聞いた直後、体の中からなにかが沸き上がってくるのを感じた。
 エレノアの力、戦闘の時便利使いしているオーラと同質で、ちょっとだけ違う力。

 それがおれの体の中、ヘソの下あたりにたまっている。

(それをオルティアに渡すといい)
「どうやって渡すんだ?」
(一番手っ取り早いのは口を介して渡すことだが、老いたその見た目ではきつかろう。ここは――)

 エレノアが言い終えるよりも先にオルティアのあごを掴んで、顔を上に向かせてキスをした。
 驚くオルティア、しわくちゃの顔で瞠目する。

「おろろ、す、すごい」
(わあぁ……)

 オリビアとひかりの声が聞こえる。どっちもひとまず無視する。

 キスをしていると、ヘソの下にたまっているエレノアの力が上がってくるのを感じた。
 一旦動くとあとは大体分かる、その力の流れを意識でキャッチして、そのまま口を経由してオルティアに渡す。
 力が向こうに行き切ったのを確認してからキスをといた。

「ど、どうして……」

 うろたえるオルティア、いきなりキスされれば当然だろうが、それも無視した。

「どうだ。エレノアの力は渡したはずだが」
「え、ええ……なにかもらったのは感じる」
「使い方も分かるか?」
「ええ」
「なら――」

 元の時代のように、若返らせようと手を伸ばす。

(待て)
「どうした」
(貴様はダメだ)
「なんでだ」
(病み上がりにいきなり肉を食わせたらどうなる)
「むっ……」

 エレノアに言われて改めてオルティアを見た。
 今の彼女はどこからどう見ても老人だ、見た目だけで言えば100歳位だって言われても信じる。
 それだけじゃない、顔色も悪い。
 老人は老人でも、死にかけの老人だ。
 ロドトスの亡霊がよほど精気と寿命を持ってったんだろう。

 そんな彼女におれの精気を――元の時代でも彼女を一発で若返らせる程の渡すのは確かによくないかも知れない。

「オリビアもダメだよな」
(当然だ。イオは無論のころ、タニアとかただの人間でもまだ強い)
(ひかりのお友達は?)
「ドレイク兵か、どうだ?」
(それもきついだろうな)

 次々と却下するエレノア。
 竜王であるオリビアもダメなのはわかるが、ひかりの中にいる生まれたばかりのドレイクでもダメなことに眉をひそめた。

「じゃあどうする」
(ほれ、あそこに小鳥がいるだろ)
「あれか」

 エレノアの意識が指し示す方角を見あげた。
 森のなか、木の上にスズメが何羽か止まっていた。なるほどそれか。
 オーラの腕を伸ばす、木の上にいるスズメ捕まえて、オルティアに差し出す、

「これでやってみろ」
「ええ」

 オルティアは受け取って、まるで宝物にするかのように胸もとで祈るポーズでスズメを両手で包んだ。
 スズメは最初彼女の手の中で暴れていたが、次第に勢いが弱まり、やがてぐったりして動かなくなった。

「どうだ」
「すこし……」

 顔を上げるオルティア。

「ましになったわ」

 しわくちゃの老人なのは変わらないが、顔色がほんの少しだけよくなった。

「しばらくはリハビリだな。エレノアは病み上がりっていったから、イメージ的には腹を下さない程度に小動物とかでやってみて、徐々にならしていくんだ。そのうち人間からもとれて若返る事ができる」
「……」

 もとのオルティアとエレノアの説明をかみ砕いてオルティアに説明する。
 そんなオルティアは説明を聞いてなくて、じっとおれを見つめているのが分かった。

「どうした」
「ためらわなかったわ、なぜ?」
「ためらう?」
「さっきの」
「?」
(キスの事だろう。まったく、そこまで躊躇無しだったとはな、あれこれ気を使ったのはあほらしいわ)

 一瞬何をいってるのか分からなかった。
 何でキスするのをためらう必要があるんだ?

 オルティアを見る。
 うん、オルティアだ。

 ロドトスに精気をとられてしわくちゃになっているけど、雰囲気とか目の雰囲気とか、おれが知ってるオルティアのままだ。
 そんなオルティアにおれがキスするのっておかしいか?

「……ああ、この時代のオルティアはまだおれとそういう(、、、、)関係じゃないからか」
「おろろ。そ、そっちじゃないと思うけどな」
(まったく呆れたヤツだ)

 オリビアとエレノア、まるでタッグを組んだ二人。
 一体なんなんだ?

「人の子ってすごいね、予想以上」
(こやつに見かけの美醜がさほど関係ないとは知っていたが、予想以上だ)

 感心MAXのオリビア、呆れ半分のエレノア。
 そして、

「……」

 深い目で、おれをじっと見つめるオルティア。
 なんなんだ? おれがオルティアにキスをしたのがそんなにおかしいのか?

「でも、今のがいけるんなら、人生の黄昏にさしかかった人の子もいけるって事だよね。ふむふむ……」
(こやつのメガネにかなうものはそうそういまいが……まあ、選択肢は広がったな)

 ますますなんの事なのかわからなくなったが……二人ともオルティアの事から離れてなにやら()の事を考えてるから、別にいっか。
下の同時連載も読んでくれると嬉しいです
【同時連載作品】
こちらも読んでくれたら嬉しいです。
■レベル1だけどユニークスキルで最強です

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ブラック企業で過労死した佐藤亮太は異世界に転移して、レベルが1に固定される不遇を背負わされてしまう。
レベルは上がらない一方で、モンスターからその世界に存在しないはずのチートアイテムをドロップするという、彼だけのユニークスキルをもっていた。
それを知った彼は手始めに能力アップアイテムでステータスMAXになって、更に自分にしか使えない武器やアイテムの数々を揃えていった結果、レベル1のまま能力も装備も最強になって、好きに生きられる第二の人生をはじめられることになった。

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