将棋の羽生三冠「AIはみずからを高める手段に」

将棋の羽生三冠「AIはみずからを高める手段に」
将棋の羽生善治三冠は、AI=人工知能をテーマに14日、東京都内で開かれた座談会に出席し、将棋や囲碁の世界でも急速に進化しているAIについて、みずからの実力を高める手段として活用すべきだと述べました。
経団連のシンクタンクがAI=人工知能をテーマに開いたこの座談会には、将棋の羽生三冠やAIとの対局に詳しい囲碁の大橋拓文六段などが出席しました。

この中で羽生三冠は、将棋や囲碁の世界でも注目を集めるAIについて「AIは手段としてみずからの実力や能力を伸ばす使い方をするのが建設的だと思っている。ただみんなが同じソフトを使って研究するという危惧もあり、戦い方にどう個性を出すかということが突きつけられていると思う」と述べました。

AIは「ディープラーニング」と呼ばれるコンピューターがみずから学習する技術で将棋や囲碁の世界でも急速な進化を遂げていて、去年3月、アメリカのIT企業、グーグルが開発した囲碁AIの「AlphaGo」が韓国のトップ棋士に勝利するなど注目を集めています。

座談会に出席した囲碁の大橋六段は「今の囲碁の世界ではみんなが『AlphaGo』の打ち方をまねしているが、AIは最適化を繰り返し1年前の手はもう打たないので、それでは人間は追いつけない。AIの判断を人間が冷静な目で見ることも重要ではないか」と指摘していました。