45億年前、ごく初期の太陽は双子だったとする研究が発表。ネメシスが実在した可能性、しかし成長過程で崩壊か
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カリフォルニア大学バークレー校とハーバード大学スミソニアン天体物理観測所の研究者が、太陽がもともと双子の星だったとする研究結果を発表しました。言うなれば、太陽の伴星ネメシスが太陽系のごく初期には実在していたかもしれないという話。
太古の地球を支配していた恐竜が絶滅したのは小惑星が地球に衝突したからだとする説があります。この説を説明するために立てられたのがネメシスの仮説。この仮設では未発見の太陽の伴星ネメシスによるオールトの雲への影響が、小惑星を地球に向かわせるきっかけになったとされます。
宇宙では、2つ以上の恒星が連星系を成しているのは珍しいことではありません。実際、太陽系のとなり、約4.4光年しか離れていないアルファ・ケンタウリも3連星です。
今回の研究において、カリフォルニア大学バークレー校のSteven Stahler氏は星が頻繁に生まれているペルセウス座分子雲の観測によって、恒星が生まれるプロセスを統計的に調べた結果、たとえ多くの恒星がその形成初期には500AU(太陽と海王星間の17倍の距離)ほどのかなり離れた双子星として始まり、約100万年のあいだに真の連星に縮小するか、どちらかが崩壊して単一の恒星として残ることがわかったと説明します。
つまり、いまは単独で存在している太陽にも、誕生の時期には双子の兄弟がいたと考えられるわけです。そして、その兄弟は太陽が恒星としてまさに独り立ちする一方で、いずれかの時点で太陽とのバランスが崩れて崩壊したと考えられます。
ただ、この研究は恒星が生まれるプロセスについて調べたものであり、太陽にもいたであろう双子の兄弟が実際にどうなったのかまでは検証していません。よって、おそらくは崩壊した後に銀河系のどこかほかの領域にある恒星の一部になったのではないかと推測するにとどめられています。
NASAは2018年には太陽観測機 Parker Solar Probe(旧名称:Solar Probe Plus)を打ち上げ、太陽への接近観測を実施する計画です。そのミッションでさらに太陽に関する知見が深まれば、姿を消した兄弟についても、さらに何か手がかりが得られるかもしれません。
[Image : Nixxphotography via Getty Images]