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「共謀罪」法が成立 自民「会期延長せず」

2017/6/15 11:28 (2017/6/15 13:10更新)
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 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。徹夜の攻防の末だった。政府・与党は18日の会期末までに性犯罪を厳罰化する刑法改正案などの成立をめざす。与党幹部は会期を延長しない方針を表明した。

記者の質問に答える安倍首相(15日午前、首相官邸)

 安倍晋三首相は15日午前、首相官邸で記者団に「国会の審議、議論を踏まえ国民の生命財産を守るために適切、効果的に運用・施行していきたい」と強調した。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、速やかに国際組織犯罪防止条約に加入する考えを示したうえで「テロを未然に防ぐために国際社会に連携していきたい」と語った。

 改正組織犯罪処罰法の審議を巡っては自民党が14日午後の参院議院運営委員会理事会で同法の参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」による参院本会議での採決を提案。廃案を求める民進、共産両党などの野党は反発し、民進、共産、自由、社民の4党が同日夜に内閣不信任決議案を衆院に提出するなど抵抗した。

 与党は15日未明、衆院本会議で内閣不信任決議案を否決。続く参院本会議で中間報告という異例の手続きにより採決を強行し、同法を成立させた。

 改正組織犯罪処罰法の参院本会議での採決結果は、投票総数235、賛成165、反対70となった。可決したのは15日午前7時46分だった。

 同法は適用犯罪を277とし、テロ集団や暴力団など犯罪を目的とする「組織的犯罪集団」を処罰の対象とする。2人以上で殺人など重大な犯罪の実行を計画し、少なくとも1人が現場の下見や資金調達といった準備行為に取りかかった段階で、計画に合意した全員を処罰する。

 政府は187カ国・地域が結んでいる国際組織犯罪防止条約に入るために同法の成立が必要だと説明してきた。法整備と条約締結で、20年の東京五輪に向けたテロ対策を強化できるとみる。6月21日に公布、7月11日に施行する運びだ。

 民進、共産両党などは捜査機関の恣意的な捜査で冤罪(えんざい)が起こる可能性を拭えないなどとして反対した。担当の金田勝年法相の不安定な答弁も問題視した。

 政府・与党は18日の会期末までに刑法改正案と、外国人材の受け入れなどの規制緩和を柱とする国家戦略特区法改正案を成立させる運び。自民党の松山政司参院国会対策委員長は15日午前、国会内で記者団の「会期延長はないか」との質問に「そのように考えている」と答えた。公明党の漆原良夫中央幹事会会長も記者会見で「延ばすことは頭にない」と語った。

 与党は首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題で野党が勢いづいており、延長しない方向。野党が「追及逃れ」と反発するのは必至だ。漆原氏は「集中審議をやった方がいい。閉会中審査もある。国民にきちんと説明をした方がいい」と強調した。

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