五輪強化施設の床板剥がれ選手30針縫う大けが

五輪強化施設の床板剥がれ選手30針縫う大けが
オリンピックなどを目指す選手の強化拠点になっている東京・北区の「ナショナルトレーニングセンター」で、バレーボール男子の19歳の選手が、練習中に剥がれた床板が足に突き刺さって全治1か月の大けがをしたことがわかりました。
施設を管理するJSC=日本スポーツ振興センターによりますと、今月10日、ナショナルトレーニングセンターでバレーボール男子の21歳以下の日本代表の強化合宿中に、19歳の選手が滑り込んでレシーブをした際に、木の床板が長さおよそ26センチ、幅およそ2センチにわたって剥がれ、右ひざ付近に突き刺さったということです。この選手はおよそ30針を縫う全治1か月の大けがをしました。

JSCによりますと、このコートは、バレーボールのほか、バスケットボールやバドミントンなど、それぞれの競技で、メインのコートが使えないときに利用されているということです。毎日、練習をした選手がモップをかけたり、業者が清掃をしたりしていましたが、異常の報告はなく、JSCでは詳しい事故の原因を調べています。

スポーツ庁によりますと、国内の体育館で床板が剥がれて重傷を負った事故は、おととしまでの10年間で7件起こっていて、先月末から今月初めにかけて、JSCなど各スポーツ関係団体に定期点検などを求める通知を出していたということです。JSCの担当者は「大変残念なことで、再発防止のために取り組んでいきたい」としています。

日本バレーボール協会 陳謝

ナショナルトレーニングセンターでの練習中に、選手が大けがをしたことについて日本バレーボール協会は、「けがをした選手はもちろんのこと、関係する皆様にご心労、ご不便をかけ申し訳ありません。ナショナルトレーニングセンターを管理・運営するJSC=日本スポーツ振興センターならびに、主体的に運用するJOC=日本オリンピック委員会には、施設の安全管理の徹底と再発防止を要請しました。けがをした選手の一日も早い回復を祈り、また代表選手として一日も早くプレーを再開できるよう、最大のサポートをしてまいります」とコメントを出しました。

鈴木長官「安全配慮なければ選手強化どころではない」

スポーツ庁の鈴木大地長官は「ちょうど先月末に注意喚起の通知を出したところだった。安全を十分に配慮しなければ選手強化どころではない。原因を究明し、事故の再発を防ぐということに尽きる」と述べ、改めて事故の防止に取り組んでいく考えを示しました。