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 与党が採決を強行し、15日に成立した「共謀罪」法。「組織的犯罪集団」を対象とし、まずは「公安捜査」の対象者や「暴力団対策」などに使われる可能性が高いとみられている。捜査の実態を知る人たちは「当局による監視が強まり、社会が萎縮する」と危惧する。

 作家の雨宮処凛(かりん)さん(42)は5月、「『共謀罪』を考えるきっかけになれば」と、ウェブメディアに「私のガサ入れ体験」というコラムを発表した。

 2002年10月の朝、雨宮さんの自宅に警視庁の捜査員4人が家宅捜索にきた。雨宮さんは北朝鮮に渡航歴があり、よど号ハイジャック事件のメンバーの子どもらと交流していた。

 預金通帳、アルバム、パソコンのメールを見られた。赤裸々に悩みをつづった日記も読まれ、抵抗する気は失せた。「パソコンを持ち去られると仕事を失う。それだけは避けたくてその場で『何でも見て』と言った」。約5時間に及ぶ捜索の結果、よど号関係者からのファクスと北朝鮮で撮ったビデオが押収されたが、ほどなく返却された。

 その後、「周りの人まで捜索さ…

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