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上野動物園の3個、大町へ ライチョウ卵を長距離移動

大町市立大町山岳博物館で産まれた卵。4個がふ卵器に入っている=同市大町で(同館提供)

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 国の特別天然記念物ニホンライチョウの保護増殖事業に取り組む環境省は十五日、上野動物園(東京)で産まれた卵三個を、大町市立大町山岳博物館に移す。上野で産まれた複数の卵は全て両親が同じで成鳥になっても交配できないためで、一部を大町で飼育する成鳥とつがいにして繁殖させるのが狙い。

 ニホンライチョウの保護増殖事業は二〇一五年度に始まった。大町と上野、富山市ファミリーパークの三カ所で計十四羽(雄十一羽、雌三羽)を飼育している。

 今年の産卵数は、五月二十日から今月十三日までに大町で六個、上野で十三個、富山で十六個。ただ、雌は三カ所とも一羽ずつしかおらず、三施設の卵はそれぞれ同じ両親から産まれている。同省は、繁殖させるには別の場所で産まれた個体をつがいにする必要があると判断した。

 上野から大町に移す三個は、五月二十三〜二十八日に産まれた有精卵。大町にはふ卵器に入れて運び、六月二十日前後にふ化する見通しだ。

 同省は、これと同様に今月下旬に富山の卵を上野に、七月上旬には大町の卵を富山にそれぞれ移す方針で、同省野生生物課の担当者は「細心の注意を払って運びたい」と話している。

 一方、大町で産まれた卵六個のうち、最初の今月三〜九日に産まれた四個はふ卵器に、二個は十三度に保たれた保冷庫に入っている。ふ卵器の卵は七月二日前後にふ化する見通しになっている。

 (林啓太)

 

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