2016年11月、名古屋地方裁判所に「未払家賃等請求事件」として訴状が提出されました。内容は、レオパレス21が提供する家具家電のメンテナンスサービスに対し、支払い済費用の返金に相当する家賃の支払いなどを家主に求めるものです。
原告団は同社で賃貸住宅を建設した全国28都道府県のオーナー128人。請求金額は4億7000万円を超えました。
訴状の争点
「家具・家電総合メンテナンスサービス」とは、レオパレス21が入居者の利便性を高めるために居室内に設置した家具家電に係わる契約で、2010年頃に導入されました。
新築から7年(もしくは14年)の一定期間を経過するまで、家具家電は家主の所有物として、レオパレス21が保守義務を行います。
定められた期間が過ぎると、レオパレス21が家具家電を新品に交換し、以後は同社からのレンタル品として提供する内容です。
原告側の家主によりますと、期間を過ぎても実際に新品への交換はされていなかったにもかかわらず、サービス料の約2000円が、同社が家主に支払う家賃から控除されていたようです。
レオパレス21側の主張
家具家電付き物件は、家主にとって減価償却費を計上し所得税が節税できるメリットがあります。償却するには、家主側は期間を定める必要があります。そこで、その期間を7年若しくは14年とし、その後、レオパレス21からのレンタルという形に切り替える仕組みです。
一方、レオパレス21は、入居者の家電や家具が建て付けになっている物件などで、実際に入れ替えできないケースがあると認めているようです。
ただし、入れ替えをしない場合でも、料金として約2000円を徴収していた点に関し、レオパレス21側は、家具の状態を把握し、入居者から故障の申し出があった際に修理や交換を行なっているため、正当な対価であると主張しています。
信頼関係の欠損が訴訟へ
家主からは以下のような声が上がっています。
「何度もレオパレス21に説明を求めたのに対応をしてもらえなかった」
「担当が代わり、うやむやになった」
「たらいまわしにされた」
「太陽光発電を強制的に勧められた」
「セキュリティ工事もなかば強制的だった」
家主の方々は、今までのさまざまな契約について疑問を投げかけたときの対応に不満を持ち、鬱積したものが集団訴訟まで進展したと考えられます。