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ゾゾユーズド、“在庫”は消費者の自宅に眠る

洋服の二次流通でアクセル踏むスタートトゥデイ

2017年6月15日(木)

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アパレル不振の真因を突き止めた『誰がアパレルを殺すのか』
アパレル業界がかつてない不振にあえいでいる。大手アパレル4社の売上高は激減。店舗の閉鎖やブランドの撤退も相次いでいる。アパレル業界と歩みをともにしてきた百貨店業界も、店舗閉鎖が続き、「洋服が売れない」事態は深刻さを増している。

なぜ突如、業界は不振に見舞われたのか。経済誌「日経ビジネス」の記者が、アパレル産業を構成するサプライチェーンのすべてをくまなく取材した書籍『誰がアパレルを殺すのか』が今年5月、発売された。

業界を代表するアパレル企業や百貨店の経営者から、アパレル各社の不良在庫を買い取る在庫処分業者、売り場に立つ販売員など、幅広い関係者への取材を通して、不振の原因を探った。この1冊を読めば、アパレル産業の「今」と「未来」が鮮明に見えるはずだ。関連記事を随時連載していきます。

 スタートトゥデイが運営する国内最大のアパレル(衣料品)ネット通販サイト「ゾゾタウン」。独走状態が続く同社の2017年3月期の売上高は、763億9300万円と前の期比40.4%増、営業利益は262億8400万円で同48%増と好調だ。商品の取扱高は2120億円で、初めて2000億円を突破した。アパレル大手や百貨店各社が、衣料品の販売減に苦しんでいる様子とは対象的に、成長を続けている。

 この同社の中でも、特に伸びが際立っているのが、二次流通、つまり中古品の売り上げだ。現在、スタートトゥデイの売上高のうち、二次流通の「ゾゾユーズド」が約2割を占めている。2017年3月期の売上高は128億7500万円と前の期比60%増となった。

 スタートトゥデイは2011年、中古アパレルのオークションサイトを手がけていたクラウンジュエルを買収。2012年から「ゾゾユーズド」としてサービスを始めた。中でも注目を集めているのが、昨秋に開始した「買い替え割」だ。ゾゾタウン内で商品を購入するユーザーを対象に、その人が過去にゾゾタウン内で購入した商品を下取りし、その下取り分の金額を、別の商品の購入代金から値引きする。

 ユーザーは商品を購入する際、サイト上で過去に購入した商品がいくらで売れるのかを見ることができる。買い替え割を利用するには、その割引を適応して購入した商品と一緒に届くバッグに、下取り商品を入れて送り返すだけという手軽さだ。

 アパレル業界では、メルカリが個人間取引のフリマサービスで業界を席巻。「アースミュージック&エコロジー」を展開するアパレル企業のストライプインターナショナルも、自ら中古品販売を手がけている。急速に拡大する二次流通市場の中で、ゾゾユーズドはどのように勝ち残る狙いなのか。同サービスを展開するクラウンジュエルの宮澤高浩社長に聞いた。

「ゾゾユーズド」を運営するクラウンジュエルの宮澤高浩社長(撮影:竹井 俊晴)

「買い替え割」を開始して半年が経ちました。売り上げ増加にも結びついているように見えます

宮澤高浩社長(以下、宮澤):2016年11月にサービスを始めた直後からユーザーの反応も良いですね。現在の買い取り商品のうち、買い替え割を利用して買い取った商品は、全体の約4割を占めるようになりました。

 買い替え割によって、ゾゾユーズドで扱う商品量が増え、売上高も着実に伸びています。買い替え割を利用するユーザーは、それを利用しないユーザーに比べて、ゾゾタウンにおける購入金額が高いという傾向も見えつつあります。「買い替え割で新品が安く買えるので、1ランク上のアイテムを買ってみよう」「買って合わなければ下取りに出せばいい」という感覚になるようで、新品や中古品の購買欲が高まっているようです。

 これは、短期的にみたゾゾユーズドの売上高増加という意味以上に、スタートトゥデイ全体にとってプラスの効果が期待できます。

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「ゾゾユーズド、“在庫”は消費者の自宅に眠る」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。ネットサービス、人物ルポ、などが得意分野。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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