30分食べ放題のさくらんぼ狩りと、可愛いさくらんぼデザート。「王将果樹園」で贅沢にさくらんぼ三昧!

2017.06.14

全国生産量のおよそ7割を占めるさくらんぼ王国、山形県。旬の時期になると、いたるところで赤い実をつけたさくらんぼの木を目にすることができます。“宝石のような実”と例えられるほど高級な果物をお腹いっぱい食べたい!という人の願いを叶える「さくらんぼ狩り」と見た目もキュートな「さくらんぼのデザート」。心ゆくまでさくらんぼを楽しんでみませんか?

▲摘みたてのさくらんぼ

県内最大級の果樹園で、食べ放題のさくらんぼ狩り

▲大きな赤い看板が目印。天童ICから国道48号を仙台方面へ向かう途中にある「王将果樹園」

山形県内にはさくらんぼ狩りができる観光果樹園が約200カ所あります。今回「さくらんぼ狩り」を体験したのは、天童市の「王将果樹園」。県都山形市から北へ車で30分ほど行ったところにある果樹園です。

「王将果樹園」では、東京ドーム約2個分の広大な敷地で「佐藤錦」「紅秀峰」「大将錦」「ナポレオン」「紅さやか」等、10種類以上のさくらんぼを栽培しています。これらさくらんぼの樹は約1,000本。毎年5月中旬~6月中旬には、露地物の収穫を前にひと足早く、温室で栽培した「佐藤錦」のさくらんぼ狩り体験を楽しむことができます。
▲逸る気持ちを抑えて、まずは受付を

2017年は、温室のさくらんぼ狩りが5月20日~6月15日まで、露地物のさくらんぼ狩りは6月10日~7月17日まで。さくらんぼ狩りはハウスの中で行なうので、台風などで風が強い日以外は雨が降っても濡れずに楽しむことができます。
▲たわわに実る「赤い宝石」!(写真提供:王将果樹園)

5月の温室のさくらんぼ狩りの料金は大人3,240円、小学生3,024円、未就学児2,160円。6月の温室さくらんぼ狩りの料金は大人2,916円、小学生2,700円、未就学児1,944円。露地物のさくらんぼ狩りの料金は大人1,620円、小学生1,296円、未就学児1,080円です(すべて税込)。

スタッフの東海林洋(とうかいりんひろし)さんに案内していただき、さっそく温室へ。
▲さくらんぼ狩りをする際の注意点を教えていただきます
▲露地物は6月の収穫期に向けてようやく実をつけたところ
▲温室に入ると目の前には赤い実をつけたさくらんぼの木が!

雪の降る時期から、ハウスの中で手間暇かけて育てたさくらんぼ(佐藤錦)が30分食べ放題!可愛いルビー色の実にテンションが上がります。
▲日光がよく当たる枝の上の方の実は特に赤く色づいています(写真提供:王将果樹園)

たわわに実っている中からいちばん赤い実を探します。高価な果物を食べたいだけ食べられるなんて贅沢過ぎる!さくらんぼ狩り最高!

実を採る時は「花芽」を取らないようにするのがルール。花芽を取ってしまうと、次の年から実がならなくなってしまうので気を付けて。
▲さくらんぼの軸ごと上にゆっくり持ち上げて採ります

赤く熟していて皮のハリがいいもの、粒全体が色濃く艶やかに輝くもの、軸が青くしっかりしたものを選びます。葉の数に対して果実が少なめについた枝の実は甘いそうですよ。
▲「これはどう!?」お気に入りのさくらんぼを見つけました

パクッと一粒ほおばると、ジューシーで甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がります。

「甘い!」

2個、3個、4個と、赤くて大きなさくらんぼをほおばっていきます。木から直接もぎ取りながらその場で食べるのって楽しい!お持ち帰りはできないので、その場で美味しさを味わって。
▲可愛い実。少し黄色味がかった実も甘さはしっかりと

お客さんに喜んでもらうための仕掛けづくり

「“やはぎ式”で食べてみますか?」と東海林さん。

持ってきてくれたのはブロック氷とペットボトルに入った水。“やはぎ式”というのは、園主の矢萩美智(やはぎよしとも)さんが、さくらんぼをより美味しく食べるために考えた食べ方。容器に入れた氷水にさくらんぼを浸すと、実がキュッと引き締まり、さらに美味しく感じます(氷と水のセットはさくらんぼ狩り料金とは別に400円・税込)。
▲気温の高いハウスの中で食べる冷たいさくらんぼは最高!

山形のさくらんぼが美味しいのは誰もが認めるところ。梅雨の時期に雨が少ない、花芽の時期や開花の時期に適した昼夜の寒暖差があるなど、さくらんぼを育てるのに最適な気象条件と妥協を許さない生産者の努力とプライドがあるからこそ、最高のさくらんぼが実をつけるのです。
▲最高のさくらんぼを作るためなら努力を惜しまない山形の生産者(写真提供:王将果樹園)

“やはぎ式”など様々なアイデアでお客さんを楽しませてくれる、園主の矢萩さんに 「王将果樹園」ならではのこだわりをお聞きしました。
▲「毎年違う企画でお客さんに喜んでもらいたい」と矢萩さん

「温室から始まり露地物まで、約2カ月間さくらんぼ狩りを楽しんでいただけるところが当園の特徴です。晩生種を増やしたりしながら、長期間収穫できるように対応しています。また、女性や子ども達にも収穫しやすいように樹木を低く育てたり、様々なプランを企画したりしながら、お客さまに喜んでもらうためにはどうしたらいいのかを常に考えています」と矢萩さん。

祖父の代から始めた果樹園は矢萩さんで三代目。加工用としてさくらんぼを栽培していた祖父の代。雨よけハウスが普及した昭和40年頃から父親がさくらんぼ栽培を本格的に行うようになりました。その後、息子の美智さんと弟の洋美さんが二人三脚で温室栽培を始め、現在に至ります。
▲赤い実にそそられて何個でも食べられそう(写真提供:王将果樹園)

行く価値ありのさくらんぼスイーツに感動!

2014年には、園内にカフェ「Oh!Show!Cafe(オウショウカフェ)」がオープン(営業は5月中旬~11月末まで)。王将果樹園で採れた様々な果物を使ったデザートや果汁100%のジュースなどを提供しています。

どんなデザートメニューがあるのか、さっそく中に入ってみましょう。
▲イートインができる「Oh!Show!Cafe」
▲イートインスペースは1階と2階があり、2階はとても開放的
▲目の前に広がる果樹畑と、遠くに見える山々の景色に癒されます

最初に注文したのは「さくらんぼパフェ」。出てきたパフェの姿に衝撃!(笑)
▲見てください、このさくらんぼの数!

ホイップクリームをぐるりと囲む、20個以上のさくらんぼ。その時期に収穫される品種が載っています。今回は、「紅さやか」「高砂」「紅秀峰」の3種。旬の時期には10種類ものさくらんぼがトッピングされることもあるそう。軸に品種名のシールがついているので、味の比較も楽しめますね。

この豪華なパフェがなんと750円(税込)!果樹園だからこそ、このボリュームと安さで提供できるんですね。

「様々な品種を載せることで、いろんなさくらんぼがあることを知ってほしいという思いからこの形になりました」と話すのは、カフェ部門担当の富樫亜由美(とがしあゆみ)さん。
▲デザートの開発を手掛ける富樫さん
▲下から、コーンフレーク、プレミアムさくらんぼソフト、バニラソフト、「紅さやか」の自家製ソース、ホイップクリーム、そして旬のさくらんぼが載っている「さくらんぼパフェ」

自家製のソースには、発色の良い「紅さやか」という品種を使用。果実本来の甘さとほのかな酸味が利いた美味しいソースです。

富樫さんにソースのこだわりをお聞きすると、「自家製のソースは一個一個種を取り、一日かけて丁寧に煮込んでいます」とのこと。手間暇かけることで美味しさも倍増なんですね!
▲ここでしか味わえない「プレミアムさくらんぼソフトクリーム」400円(税込)

果樹園で採れたさくらんぼをそのまま絞った果汁をたっぷり使い、ミルクと調合して作るプレミアムなさくらんぼソフトクリームもぜひ食べてみて。
さくらんぼシーズンには採れたてのさくらんぼを、シーズンオフには収穫後すぐにマイナス40度で凍らせたさくらんぼを添えています。

「色や香りをそのままに、シャリシャリ食感の冷凍さくらんぼをソフトクリームとともにお楽しみください。決して解凍してお客様にお出しすることはありませんので」と富樫さん。
▲彩りが可愛い「ガッサンスノウ」は600円(税込)

そして、市内のパン屋さんに特別につくってもらっているというデニッシュの上にバニラアイスと「紅さやか」の自家製ソースをかけ、3粒のさくらんぼを載せたデザート「ガッサンスノウ」もオススメ。口の中に入れた瞬間、バニラの甘さとさくらんぼソースのほのかな酸味が広がります。
▲数えきれない程のさくらんぼをいただいて大満足!
▲この日は、アジア各地から学会のため東北大学に来ている整形外科の先生たちがカフェに。「プレミアムさくらんぼソフトクリーム」を美味しそうに食べていました
▲さくらんぼやりんごのフルーツソースなど「王将果樹園」オリジナルのお土産品も充実

食べ放題のさくらんぼ狩りを楽しんで、さくらんぼがこれでもかというほどたっぷり載ったデザートを食べて、大満足の1日でした。

さくらんぼ狩りをするときは、脚立に上って採ることもあるので身軽な格好で。ヒールなどかかとの高い靴は避けたほうが良さそう。
▲「王将果樹園」の皆さん。「さくらんぼ狩りに来てけらっしゃい!」(写真提供:王将果樹園)

山形県内のそれぞれのさくらんぼ産地では、さくらんぼ狩りや「さくらんぼ祭り」など多彩なイベントを実施していますので、友達と、家族で、この時期だけの贅沢な体験で初夏の山形を思いっきり楽しんでみては。さくらんぼ狩りに行くときは、事前に生育状況を確認することも忘れないでくださいね。

撮影:佐藤友美
佐藤昌子

佐藤昌子

エディター&ライター。山形県知事認可法人アトリエ・ミューズ企業組合専務理事。山形県内を中心にタウン誌、フリーペーパーや企業広報誌等ジャンル問わず、印刷物の企画、取材・編集の仕事を手掛ける傍ら、モデルハウスのディスプレイやリメイク等『気持ちの良い暮らし方』も提案している。

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