ヴァイオリンで聴く、カルメン幻想曲3選【ヴァイオリニスト/月元悠さん】

月元悠

こんにちはヴァイオリニストのハルカです♪
今回はヴァイオリニストのための「カルメン幻想曲」についてです!
本来はビゼーが作曲した歌劇「カルメン幻想曲」が有名ですが、ヴァイオリンの名手がヴァイオリニストのために書き上げた曲がいくつか存在します。
その中から演奏される機会の多い3つご紹介します!

サラサーテ作曲《カルメン幻想曲》

演奏される機会が一番多いのがサラサーテのカルメンです。オペラの間奏曲のモチーフが序奏に現れています。そこから「ハバネラ」、カルメンの歌う鼻歌「トゥ・ラララ」、「ジプシーの歌」が様々な技巧を用いて展開されます。ヴァイオリンが伸びやかに歌い、その音色の自由自在さから、まるでオペラを聴いているようです…

ワックスマン作曲《カルメン・ファンタジー》

映画音楽も手がけていたアメリカ出身、ユダヤ系のワックスマンがヴァイオリニストの王と称されるハイフェッツのために作曲しました。サラサーテに比べるとドラマチックに歌い上げるフレーズが多いです。この曲もよく演奏されますね。

フバイ作曲《カルメンによる華麗な幻想曲》

ハンガリーのヴァイオリニスト、作曲家のフバイのカルメン。たくさんの場面があって瞬く間に展開していきます。途中のピアノの間奏も聴き応えがありますよ!(なかなか演奏機会がないのと音源もあまりない…ということで筆者も演奏する際には資料集めに苦労しました…)
いかがでしたか?どれもオペラのいいとこ取りで華やかですが、弾く方にとっては難易度も高く体力を使う曲です…!(笑)
他の楽器奏者のためのカルメンもたくさん存在していますが、やはりどの楽器から見てもカルメンは憧れの曲ですよね!
息もつかせぬ超絶技巧を楽しみたい方にオススメです!

次回もお楽しみに♪

<プロフィール>
月元 悠
長崎県出身。3歳よりヴァイオリンをはじめる。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部 卒業。現在、福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程修了。各地で演奏活動を行う傍ら、後進の指導を行う。クラシックをより身近に感じてもらうためのコラムサイト『COSMUSICA』(cosmusica.net)にて、連載「映画で学ぶクラシック」執筆中。